国家試験前に知っておくべき鍼灸師としての未来像


From:藤井 宏和
阿佐ヶ谷のカフェより、、、

こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

今年も、鍼灸・マッサージの国家試験まで
あと僅かの季節になってきました。

先日、たまたま入ったカフェで、
たまたま隣に座ったメガネを掛けた女性が、
東洋医学概論のテキストを出して、
ピンクの蛍光ペンを一杯ひいて
頑張って勉強していました。

おそらくラスト1か月を切って
最後の追い込みをかけている
3年生の学生さんだったのでしょう^^

今、専門学校の3年生は、
最後の追い込みの時期だと思います。

国試よりも大きな心配事・・・

国家試験に受かるかどうかの心配もありますが、
学生さんにとって、もっと心配なことが

「果たして、鍼灸の国家資格を取ってもまともに食っていけるのか?」

ということのほうが大きなウエイトを占めると思います。

特に業界の中では、

「鍼灸(のみ)師 = 足裏の米粒」

と言われることが多いです。

理由は、一般人からのニーズが少ないからです。

一般の方に鍼灸のイメージを聞くと
ほぼ100%の確率で、
「痛そう、怖そう、熱そう」(だからイヤだ)
と回答します。

鍼灸の施術を受ける人は、
手術の一歩手前で
しょうがなく受けてみるというのhが
実情だと思います。

なのでこの時期になると、毎年必ず鍼灸師さんから、

・鍼灸師として独立開業できるか?

・鍼灸だけの資格しかないから不安です…

・鍼灸師を辞めて、一般企業に戻るべきか?

といった類のご質問を頂きます。

需要が少ないので、
鍼灸院で雇用できるようなところは少ないし、
雇用されたとしても修行の身ということで、
年収が200万未満は間違いない・・・。

また鍼灸師では、病院への就職も難しいようですし、
接骨院などで柔整師の下で違法モミモミや
スイッチマンはやりたくないでしょう。

そんな悶々とした気持ちを抱えながら
試験に臨む鍼灸師が
約4000人いるのです。

果たして、鍼灸師として食って行けるのか?

しかし、その中4000人の中で、
鍼灸師としてまともに食って
行ける割合は何%位でしょうか?

実際、鍼灸の資格を持った方の
95~97%は、まともに
喰っていけないというデータもあります。

せっかく、3年間という貴重な時間と
500万円という破格の学費を投資したのに
ほとんどの鍼灸師が喰っていけないのです。

専門学校に入学する前にみる、
学校案内のパンフレットや、
書店に置いてある資格ガイドには、

・「これからは高齢者社会だから、慢性痛で悩む方が
  増えるので鍼灸のニーズも増え、人並みに稼げます」

・「鍼灸師で独立開業!年収1000万も夢ではない!」

・「スポーツの現場で鍼灸を最大限活用して選手のパフォーマンスを引き出す」

などと書いてあるのを見たことがあると思います。

確かに、鍼灸師として年収1000万も夢ではありません。
僕の周りには実際、鍼灸師として独立開業し
1000万を遥かに超える売り上げを出している先生も
何人かいらっしゃいます。

しかし、このように圧倒的に稼いでいる
鍼灸師は極々一部で、
専門学校を卒業してから、周囲を見渡すと、
年収200万未満の貧困鍼灸師、
また、整形外科や介護の現場での鍼灸師のリストラ、
鍼灸の免許は紙切れとなりサラリーマンに逆戻り、
といったケースがとても多いです。

では、鍼灸師として、
これから将来どうすればいいのか?

1つの選択肢としては、
訪問治療院に就職というものがあります。

どこの訪問治療院も人材不足で
困っていますが、マッサージ師を
採用するのはかなり大変です。

なので、多くの訪問治療院が
鍼灸師の採用にシフトチェンジしています。

鍼灸の資格を活用して、
歩行困難で困っている患者さんの
助けるというやりがいのある仕事です。

給料についても、
月収25万程度からスタートで、
経験や歩合が付くと
月収30万程度になるところもあります。

また、マネージャーなどの
管理職になれば、
月収40~50万程度を目指すことも可能でしょう。

ただ、それ以上を求めるとなると
やや厳しいところがあります。

それ以上、ましてや1000万を目指したい、
そうしたばあいはどうすればいいのか?


鍼灸師として、独立開業という選択肢

結論から言うと、
年商1000万を目指すのであれば、
「独立開業」しかありません。

そもそも、僕が専門学校を
卒業した当時でさえ

“鍼灸ができる”

職場はほとんどありませんでした。

今は、規制緩和で鍼灸師が大量排出
された影響で、当時よりももっと
“鍼灸ができる”職場は少ないと思います。

働く場所がないのですから、
もう自力で鍼灸が出来る環境を
作らなければなりません。

つまり、独立開業して
自分の城(治療院)を
構える必要があります。

鍼灸師として独立開業し、
大きな結果を出せるかどうかは、
何(鍼灸?マッサージ?)をやるかよりも、
「誰がやるか?」がとても
重要なポイントになります。

なので、結果を出す人もいますし、
出せない人もいるのが現実です。

現実として、結果を出せない人の
割合がとても高いのが鍼灸業界です。

なぜ、鍼灸師は結果を出しにくいのか?

色々な要因はありますが、上手く行かない理由No1は、

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鍼灸院経営をしていくというのに、その大事な
経営法を誰からも教わらずに、
「なんとなくの勢い」と「根拠のない自信」だけで
開業してしまうということです。
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専門学校では、経絡や解剖学、生理学、病理学など
さまざまな医学的な知識を勉強しますが、
「鍼灸院経営学」というものは一切教わりません。

専門学校の3年間で、経絡や解剖学、生理学、病理学
などをしっかり勉強して知識をつけないと
国家試験に合格しないのと同じように、
独立して鍼灸院経営者をして成果を出すには、
最低限の「鍼灸院経営学」の知識と知恵を
身に着ける必要があります。

鍼灸師として治療だけしている従業員であればいいですが、
独立開業して鍼灸院を経営していくには、

・毎日、毎月の来院数や顧客獲得単価などの数字の管理をしなければなりません。

・地域の患者さんに、自分の鍼灸院の存在を知ってもらわなければなりません。

・他の治療院とは「ここが違うよ!」という、あなたの治療院の魅力を伝えなければなりません。

・一度来院してくれた患者さんの体をもっと良くする為に定期的に通ってもらう必要性を伝えなければなりません。

他にもたくさんありますが、これらの知識や知恵がないと
鍼灸院経営が上手く行くわけがないのです。

圧倒的に稼ぐ鍼灸師と多くの貧困鍼灸師の違いは、

「治療家視点だけでなく経営者的な視点があるかどうか?」

という所がとても大きいです。

国家試験前の忙しい時期にに、
僕のメルマガを読んでくれているような
意識の高い鍼灸師さんは、
是非そのような視点をもって
取り組んでいただければと思います。

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