独立開業前提の採用

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

ビジネスで一番大変なのは、
「ゼロ→イチ」と言われ、
カネ無し、コネ無し、ウデ無しの
状況から売上を作って行くところと言われています。

もちろんそれもスゴク大変なのですが、
売上についての「ゼロ→イチ」ではなくて、
スタッフについて「ゼロ→イチ」の方が
難しいのかなと思います。

訪問マッサージ・訪問鍼灸で
「ゼロ→イチ」として売上を30万位にするのは簡単です。

また、センスが良くて気合が入った先生であれば
売上100万円も軽く突破するでしょう。

しかし、1人で営業や施術を頑張っても
売上の上限は100万/月程度で止まります。

更に上を目指そうとしたときには、
ヒトを入れなくてはならないのですが、
ここが心理的にとても大きなハードルになります。

そりゃそうです。
僕自身もそういう時期が
ありましたので良く分かりますが、
訪問マッサージ・訪問鍼灸で
独立すると何が良いのかっていうと
ひと言でいうと【自由】ってことです。

・店舗も無いので、来ない患者を待つ必要もない、

・患者さんのお休みが入ったら喫茶店で休憩できる、

・子供の学校行事があるときはお休みにすることが出来る、

などなど、雇われていた時とは違い
自由自在に働くことが出来て、
しかも、収入は毎月安定して100万円入ってくる。
こんな自由で幸せな生活は手放したくありません。

でも、自分一人での限界は見えてくる、
更に上に行こうと考えた時には
一緒にやってくれる人材が必要になります。

でも、いざ人材を採用しようと思っても
なかなか上手く行かないのが今の、
訪問鍼灸マッサージの業界です。

そもそも個人治療院が採用しようと思っても、
大手の訪問マッサージ会社と比べると
給料や待遇面では１００％負けます。

ということで、そもそも
面接の問い合わせさえ1件も
来ないということが普通にあります。

また、仮にたまたま院長の理念に共感してくれて
鍼灸マッサージ師を採用できたとしても、
半年～1年くらい経過した時点で、
センスのいい鍼灸マッサージ師であれば
”自分でやってみます”ということで
退職してしまいます。

ということで、採用できたとしても
継続して働いてもらえないという問題もあります。

そこで、最近僕の周りで流行っている（？）というか
面白いな～と思う取り組みが、
スタッフの独立開業を前提として
採用活動をしている治療院さんが
増えてきているということです。

なぜ、そんな流れになってきたかと言うと、
鍼灸マッサージ師の採用となると、
正社員として雇用して、自分の理念とビジョンに共感してくれる、
そういうチームを作ろうという夢を抱くと思います。

でも、社員で雇った鍼灸マッサージ師も
自分と同じくらい働いてくれて
毎月100万円位の売上は作ってくれると
想定していたのだが、そうでもないことに気付く…。

あれ？？
売上80万にも届かない、
良くて、60万位かなと、、、。

そこから給料で30万円、
それに加えて社会保険料、
その他の車両代や家賃、保険、光熱費、、、
色々な経費が掛かってきて、
全然利益が残らない・・・。

でも、何とかギリギリ黒字だから
継続出来ていたというのに、
1年くらい経過したところで、
”自分でやってみますので退職します！”
というスタッフの退職宣言…。

こんな事だったら、何のために
採用して1年間教育して来たのかと
嘆く院長・・・。

こんな苦い経験もあったのでしょうが、
どうせ、いずれ独立開業するのであれば、
最初から独立開業を支援する形で
鍼灸マッサージ師さんを採用するという
方針転換をするってことですね。

どういうことかと言うと、、、
採用したら3年後には独立しなさいよと
最初から宣言しておきます。

うちは3年間しか面倒見ませんよ、
それまでに独立開業する際に必要な
スキルやノウハウは全て教えますので、
3年後には必ずうちを卒業してくださいね。

そうすると、そこで働くスタッフも
3年間と言う期限が決められたことで
最初からモチベーション高くできますし、
卒業する時点で、患者さんは20名程度、
売上でいうと70万程度が確保されてる
状態で卒業できるわけです。

卒業時の患者さんの引継ぎや、
売上の割合のフィーなどは、
あらかじめ納得のいくラインを
決めておけば、お互いハッピーな感じにできますと。

ということで、
期間を決めて働いてもらい、
その期間で、営業や施術や事務作業など
必要な事を学んで頂いたら、
患者さんを引き連れてそのまま
独立してもらうというスタイルです。

採用したスタッフには、
新規患者の獲得が出来る、
在宅での施術が出来る、
レセプトなどの事務作業が出来る、
という３つの分野において
一定の水準を満たしていれば、
免許皆伝で独立というわけです。

最近、思うのですが、
自社で囲うことを考えるより、
オープンにしてしまった方が、
得るものがデカくなるのではないかと。

組織を作る事は素晴らしいことですが、
個の力を最大限に発揮できる環境を作る方が、
よりよい結果に繋がるのではないかと思います。