田舎で開業する前のドライテスト

こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

当協会の会員様から
こんなメールを頂きました。

—– Original Message —–

藤井様

いつも有益なメール
ありがとうございます。

先ほど、
「出稼ぎ!訪問マッサージ」
(以前に
 行っていたサービスです!)に
登録させて頂きました。

実は、わたしは現在、
@@県の田舎
開業していますが、
正直なところ、
非常に困っています。

理由としては、

・医師の同意書が取りにくい

・市の財政が厳しく、
 生活保護の方の施術が困難

・ケアマネさんが
 介護保険以外のサービスに
 対して反応が良くない

といった問題点が
発覚しました。

確かに、ライバル院と
呼ばれるような同業他社は
ほぼ存在しませんが、
訪問マッサージが
やりにくい地域で
開業してしまったと
後悔しております…。

今回の
「出稼ぎ!訪問マッサージ」で
起死回生を
目指したいと思います。

—— End of Message ——

M先生

田舎の現状報告
ありがとうございました。

ライバル院が居ないので
楽勝かと思っていたけど
実はそんなに甘くなかった…。

というご相談は
意外と多いです。

なぜ、このような事態に
なるかと言えば
「市場調査」の甘さが原因です。

訪問マッサージや訪問鍼灸の
市場(customer)の
リサーチであれば、

⇒往診圏内の人口は、
 高齢者の割合は?、年齢層は??
 介護事業所の数は?

などの調査を
する必要があります。

まずは、患者さんがどこに、
どれくらいいて、ケアマネさんの
事業所が何件位あるか?
また、地元の高齢者の患者さんが、
何を動機に訪問治療を受けるのかと
言うリサーチを
行う必要があります。

ここまでは、
インターネットで
市役所のホームページや
ワムネット等の
介護関連ページなどで
調べると簡単に分かります。

ただ、
ここまでしかしない人が
非常に多いです。

インターネットだけで
なんとなくリサーチして
上手く行きそうだと思ったけど
実はそうでもなかった・・・

「市場調査」については、
現地に行って、必ず
リアルで行う必要があります。

開業の「市場調査」で
最も大事なことが、
ドライテスト」です。

通販の世界などでは
当りに行われているのですが
いわるゆ「予約販売」的な
手法です。

ドライテスト」とは、
商品を大量発注する
つまり、商品がない状態で、
“予約”という形で、
試しにテスト的な販売をして、
実際にその商品が本当に
売れるかを見極める手法です。

この「ドライテスト」で
合格基準に達したら、
商品を大量発注して
本販売をスタートさせるのが
通販の世界では
基本となっています。

基本的に、「ドライテスト」で
合格するまでは、
商品を仕入れませんので
お金がかかりません。

逆に言えば、
ドライテスト」で合格すれば、
失敗しようがない状態
といえます。

それと、同様に
訪問マッサージ、訪問鍼灸を
開業する際も
ドライテスト」的な
ことをする必要があります。

ドライテスト」的な
ことをしないで
ライバルがいなそうだから
という理由で
開業してしまったら
痛い目を見ます。

ドライテスト」的なことを
知っていると、
少ない資金で
儲かる場所を知ることが出来ます。

逆にこの方法を知らないと、
儲からない市町村で
開業してしまい、
時間をお金をかけてしまい、
銀行口座の貯金残高が0になって、
あたふたすることに
なってしまいますので、
しっかりとした
対応が必要です。

訪問マッサージ、
訪問鍼灸においての、
ドライテストというのは、

・この市町村が
 儲かる場所なのか?

・自分のサービス
 (訪問マッサージ)は、
 地元の高齢者が
 欲しがっているのか?

・自分のサービス(訪問鍼灸)は、
 確実に売れるのか?

これらを見るために
テストすることです。

このテストですが、通常は
「プレオープン
 (仮オープン)」という
状態で行っていきます。

幸い、訪問マッサージ・
訪問鍼灸では、
このテスト
ものすごく少ない資金で
することが出来ます。

このテストが、
小予算で出来るところが、
訪問マッサージ・訪問鍼灸の
素晴らしさなんですね。

このテストをして、
需要があると判断してから、
本格的に、地元の
保健所に開設届を提出したり、
お金をかけて、
パンフレットや名刺を発注したり、
しっかりしたホームページを
作ったりできます。

では、ドライテストでは、
どんなことをするかというと、
基本的な、
テンプレートとしては、

「こんにちは!
 今度、○○駅の近くに
 開業予定の
 フジイ訪問マッサージの
 藤井と申します。
 開業のご挨拶に
 伺わせて頂きました・・・」

と言って、
地元の
ケアマネさん、医師、
市役所の障害福祉課などの
反応や現状などをリサーチします。

■ケアマネ
・今まで訪問マッサージを
 使ったことがあるか?
・介護保険外サービスに
 ついての理解

■医師
・同意書を過去に
 発行したことがあるか?
・地元の医師会の方向性

■市役所の障害福祉課
・生活保護に対する
 市の財政の状況
・どの程度の容態で
 訪問マッサージが適用になるか?

などを、
現地でリサーチします。

このリサーチで、

・ケアマネさんの
 理解度も問題なし
・医師の同意書も問題なし
・市町村の財政も問題なし

など、ある程度の
基準を超えていれば、
その場所で
開業すればいいですし、
基準に満たなければ、
開業予定を
キャンセルすればいいだけです。

基本的に、「ドライテスト」で、
合格するまでは、
開業届を出さないので、
無駄な経費は掛かりません。

逆に言えば、
ドライテスト」で合格すれば、
その場所での
訪問マッサージ・訪問鍼灸は
失敗しようがない
ということになります。