こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
先日、福祉事業の
セミナーに参加した際に
お隣に座った方が、
たまたま鍼灸マッサージ師さんで
色々とお話を
させていただいたところ、
「開業当初は62名の
患者さんを1人で
訪問施術してましたよ!」
っていうことで、月曜から土曜まで
予約はパンパンで
動き回っていたらしく、
我ながら、良くやっていたなって思うし、
その当時に戻って
同じことをやれと言われれば
キツイなーって、ことでした。
1人で62名というのは、
なかなか大変ですが、
1人の先生で
患者数が30人で、週6日営業で
1日平均で10件の施術、
売上も100万というのは、
実践している方も多いはずです。
「患者さん30人で売上100万」
これは、個人鍼灸マッサージ師が
訪問マッサージ・訪問鍼灸で
ほぼ最高峰の数字だと思います。
「患者さん30人、
売上100万で予約がパンパン」
ひとり治療院が達成した数字としては
素晴らしいものだと思います。
また僕も過去には、このような
予約パンパン状態が
一番いいと思っていました。
しかし、最近はそれが
「 正解 」ではないと思っています。
「予約パンパン 」という響きは
確かに良いことですし、僕も好きです。
そもそも、独立開業して
患者さんがゼロの時は、
予約をパンパンにして
毎日フルに施術することを
目標に置いているはずです。
しかし、長期にわたって
治療院経営をしていくなかで
「常時予約パンパン状態」には
隠れたリスクがある、
とわかってきました。
訪問マッサージ・訪問鍼灸の場合、
地元のケアマネさんから
新規患者の紹介を頂くケースが多いです。
ケアマネさんの抱えている
利用者さん(要介護者など)から、
「自宅でリハビリとかマッサージを
受けたいんだけど、
良い治療院
と要望を頂いて、
ケアマネさんが動くのですが、
そこで、予約パンパンの
治療院に3回依頼しても、
「すみません!
今予約が一杯で受けられません!」
という対応をしてしまうと、
ケアマネさんの
紹介先リストから外れてしまうのです。
また、日本訪問マッサージ協会でも
「素晴らしい技術と
誠実な人柄を備えた治療家さん」
と「寝たきりや歩行困難で
お困りの高齢者の患者様」の
橋渡しをする支援サービスを
行っておりますが、
そこで、3回依頼しても、
「すみません!
今予約が一杯で受けられません!」
という治療院さんは、
当協会の紹介先リストから
外れてしまいます。
短期間で患者さん30人を獲得して
売上100万まで持っていく先生は、
非常に人気があるので、
こちらとしても是非お願いしたいのですが、
「あの先生にお願いしても、
予約が一杯で断られるから・・・」
と泣く泣く、
リストから外れてしまうのです。
でも、そんな予約パンパンの人気の
鍼灸マッサージ師でも、
常時、その状態を
維持できるわけではありません。
寒い時期になると、
患者さんがお亡くなりになったり
長期入院されたりが連続で続いて、
30人居た患者さんが
20人くらいまで
減ってしまうケースもあります。
そんな時はやっかいです。
「あの治療院さんは
人気があって好きだけど、
いつも予約が
パンパンで空きがないから、
電話しても無駄だろう・
という心理がケアマネさん働いて、
新規患者さんを
紹介してもらえなくなるのです。
逆に、
無理に予約をパンパンにしないで
常時、3~5人程度の
空き枠を取っている治療院は
「 あの治療院さんは、
まだ空きがあるみたいだし、
土曜日の時間帯でも
受けてくれるかもしれない 」
という心理が
ケアマネさんにも働き、
電話をかけたくなるというわ
その結果、いつも
予約パンパン状態の治療院さんは、
空きの枠が出たとしても、
ケアマネさんのアンテナに
引っかからないままスルーされ、
常時3~5人程度の空き枠を
確保している治療院さんに
新規患者さんが
流れてしまう可能性が高いのです。
「 いやいや、それでもやっぱり
予約パンパンがいいでしょう 」
という声が聞こえてきそうです。
確かに、
ひとり鍼灸マッサージ師で
予約パンパン状態は理想的です。
ただ、これから
長期的に治療院経営をしていくに
あたっては、
上記のようなリスクがある、
ということも
知っておいた方がいいです。