こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
治療家の先生にアンケートを取ったところ
その中で、ほとんどの先生が持っているお悩みが
【求人】関連でした。
Q:あなたのお困りごとNo1は何ですか?
という質問に対して、
A:
・即戦力スタッフの採用
・若手のスタッフ採用
・女性スタッフの採用
・スタッフの求人
・人材確保の効率化
・施術者のリクールティング
・施術スタッフの新規雇用
・マッサージ師の求人
・良い人材の採用
・採用面接の充実
など、求人や採用関連の回答が大半でした。
訪問鍼灸マッサージの場合、
院長一人で対応できるのは
せいぜい30人位の患者さんで、
売上でいうと100万位が上限です。
それ以上の売上拡大を望む場合は、
施術者のスタッフを採用していく必要があります。
しかし、この採用がハードルが高いのです。
高齢社会で要介護の患者さんの
需要は右肩上がりで増えていますので、
30人の患者さん獲得は、
ツボとコツさえ掴めれば、
そこまで難しい事ではありません。
一方で、鍼灸マッサージ師の
採用は、あん摩マッサージ師の学校の
規制などもあって、そこまで増えておらず
1人の施術者を採用しようと思ったら
結構ハードルが高いのです。
新規集客と新規採用を比較したら、
20倍~30倍は難しい感じじゃないでしょうか。
それで、新規採用をしようと思ったら、
経験があって、若くて、
スグに戦力になってくれるような
即戦力の鍼灸マッサージ師を
採用したいと思うはずです。
でも、考えてみて下さい。
若くて、キレイで、笑顔が可愛く、
性格が良くて、料理上手な女性と
付き合いたいと思っても、
その女性にはほぼ100%
彼氏がいるものですし、
仮に別れたとしてもスグに別の
イケてる男子に引き抜かれてしまうので、
お見合い市場などには出てきません。
同様に、即戦力となる施術者は
勤めている訪問マッサージ会社を辞めないし、
辞めたとしてもコネなどで、
他の訪問マッサージ会社に引き抜かれてしまうので、
僕たちが採用しようと思っても出来ない現状があります。
そもそも施術者を分類すると
次の4つに分類されます。
1:経験があって能力がある施術者は「即戦力」。
2:経験がなく能力がない施術者は「戦力外」。
3:経験がなく能力がある施術者は「未来の戦力(新卒)」。
4:経験があって能力がない施術者は「即害力」。
どの治療院も即戦力施術者を採用しようとしますが、
そもそも、こういう人材は採用できません。
また、未来の戦力(新卒)は、
大手訪問マッサージ会社が
専門学校時代から囲い込みをしているので
よっぽど良い条件提示をしないと
採用するのが難しいところがあります。
世の中には、戦力外の施術者も一杯いますが、
ある程度の経験がある院長であれば、
”こいつを雇ったらヤバイ”という感覚は
あるので、面接で切ることが出来るでしょう。
結果として、僕たちが採用できるのは、
経験はあるけど能力が低い「即害力」施術者の
割合が一番多くなります。
試しにハローワークに行って募集を出してみて下さい。
・59歳 鍼灸マッサージ師
(免許取得後30年、訪問施術の経験13年)
・64歳 マッサージ師
(免許取得後37年、訪問施術の経験9年)
・61歳 鍼灸マッサージ師
(免許取得後19年、訪問施術の経験7年)
といった、経験はあるけれど、
能力が低い「即害力」の施術者から
応募があるはずです。
即戦力はそもそもいない、
未来の戦力(新卒)は大手に囲い込まれていて、
戦力外は絶対に採用したくない、
ということで、
結果的に「即害力」の施術者を
採用していくことにいなります。
そんな即害力の施術者は、
・陰で、いつも院長の悪口を言う。
・約束は守らないし、忘れる。
・朝の挨拶も、帰りの挨拶もしない。
・やる気と能力の向上に興味がなく、
給料と自分の時間ばかり気にする。・・・
などして、訪問施術をいい加減に対応したり、
遅く対応したりして、少しずつ仕事を減らして、
楽にしていく傾向があります。
こんな、「即害力スタッフ」に
給料なんか払いたくないと思うかもしれませんが、
院長としては、それを”害”と思うのではなく、
貴重な存在として考える必要があります。
なぜなら、「即害力スタッフ」は
院長にとって院の運営レベルを
あげてくれる貴重な存在だからです
優秀な即戦力スタッフであれば、
訪問マッサージの営業、施術、事務処理などで
仕事の非効率部分があれば、それを見つけて
勝手に改善して乗り越えてくれます。
しかし、「即害力スタッフ」は、簡単につまづくし、
効率が悪いな~、なんていう文句を言ってくる。
ここではじめて改善がなされて、
ダメダメスタッフでも出来るような
体制を構築するにはどうすればいいかと考え、
院の組織のレベルがあがる。
また、即害力スタッフは、
日本語がおかしい、施術報告書の内容が意味不明、
誤字脱字だらけ、でもツボと経絡だけやたら詳しい、
という共通項があります。
でもここではじめて、
普段接しているスタッフが
普通の仕事をしてくれるだけでも、
いかに有り難いことなのかが実感できます。
時間が経って、院長の経験値も上がって行けば、
いずれ、「即害力スタッフ」と
トラブルになることもあるでしょう。
そのトラブルを通して、
そもそもなんでこんな「即害力スタッフ」を
採用してしまったんだ、という反省から、
採用の仕組みが強化される。
施術や接遇のレベルが低くても、
なんとか高水準を保つための
マニュアルやシステムを導入し、
徐々に院の運営のレベルがアップしてくる。
院のレベルがアップしたら、
よりレベルの高い施術者を
採用できるようになります。
これらは、優秀な施術スタッフばかりだと
決して気づけないことばかりです。
ひとり院長から組織展開していくときに
最初は「即害力スタッフ」しか
採用できないのはある意味仕方ありません。
しかし、その「即害力スタッフ」を
院の運営レベル向上のための貴重な
存在として捉えることが出来れば
良い展開が広がって行くはずです。
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