FCのロイヤリティー&…

鷹

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

先日、これから脱サラして、
訪問マッサージ事業を始めようと
思っている方から
こんなご質問を頂きました。

藤井様

先日、御協会に資料請求させて頂いたものです。
昨年末で無事に20年間勤務した会社を
卒業することが出来ましたので、
2019年から、訪問マッサージのビジネスを
始めたいと考えております。

業界の事を知らないので
フランチャイズへの加盟を検討していますが
どこのフランチャイズが良いでしょうか?
もし、評判などご存知でしたら教えて下さい。

それについて、前回
FCの加盟金についての見解をお伝えしましたが、
本日は、その続きで

FCのロイヤリティー&オーナーの交流

についてです。

では、毎月発生する
ロイヤリティーについて考えてみます。

ロイヤリティー

毎月FC本部のフォローを受ける対価として
本部に支払うのがロイヤリティーです。

ロイヤリティーを支払う代わりに受けられるサービスは

「担当スーパーバイザー(以下SV)によるフォロー」

「他オーナーとの交流」

「販促ツールの提供」

「FCの看板を使っての集客・採用のコスト削減」

などが考えられます。

まず、「担当SVによるフォロー」についてです。

もし、このメールをお読みの方で、
既にどこかのFCに加盟している方や
これから加盟を検討している方は、
FCの契約書をご確認ください。

契約書にSVの定期訪問の回数が
明確に規定されていますでしょうか? (毎月1回とか)

契約書に定期訪問の回数が明確に規定されていない場合は、
FC本部が訪問指導をする義務はありません。

したがって、契約書に訪問指導の回数を
明記していないFC本部の中には、
定期訪問をまったくしないところもあります。

訪問マッサージの場合は、
SVの定期訪問というのは少ないかもしれません。

電話、メール、zoomなど便利なツールがありますので、
わざわざ、定期訪問して時間を作らなくても
遠隔でのサポートが可能な時代ですので。

では、訪問回数を明記しており、
担当SVが定期訪問するFCはどうでしょうか。

担当SVはエリアで開業した多くの加盟店を担当しており、
1件1件丁寧に経営指導出来るとは限りません。

特に、経験の浅いSVは訪問義務を果たすために
最低限の仕事としてのチェックしかしないことがあります。

「レセプトにミスはないか」

「事務所の掃除は行き届いているか」

といったチェックリストを埋める仕事です。

確かに、熱心なベテランSVの経営指導は
メリットがあるとも言えます。

ただ、その有難みを感じるのは
開業後の1~3か月程度まででしょう。

なぜなら、訪問鍼灸マッサージは、
国が作ったビジネスモデルなので、
毎月毎月やることは同じ業務の繰り返しになります。

2年に1回くらい、療養費の料金の改定や
今回の受領委任制度の改定など
院を運営する上で変更することはありますが、
2年に1回あるかないか程度の頻度です。

これも書面で教えてもらったり、
メールで相談すれば解決するので、
わざわざSVが直接お伝えするようなことではないですね。

あとは、日本訪問マッサージ協会に
所属しているFC加盟のオーナーさんの話だと、
担当SVよりも、現場の最前線で営業活動している
新人スタッフの方が知識や経験が豊富で、
逆に、SVに教えるといった逆転現象も起きているようです。

「ロイヤリティー10%払って、新規患者さんの営業手法を
 逆に本部に教えてるんですよ。なんだかな~~~・・・」

って感じになりますよね^^

次に、他オーナーとの交流です。

FCに加盟すれば、他オーナーの成功事例を学んだり、
オーナー同士で悩みを相談したりしたいはずです。

業界未経験のオーナーとしては、孤独になりがちなので、
他オーナーと交流が出来るというのは大変価値があります。

ただ、FCの中には、
加盟店のオーナーとの交流を禁止する、
といった意味不明の運営をされているところもあるようです。

他の加盟店で成功事例があれば、なぜ良かったのか、
工夫したポイントは何なのかなどを聞きたいでしょうし、
加盟店全体でよい方向に向かう努力をしたいと思う事でしょう。

定期的な研修会やSNSでの交流を通じて
加盟店同士のつながりは深めて、
一生付き合いのできる出会いがなければ、
FCに加盟する意味ってないですよね。

訪問鍼灸マッサージの開業は、
最初は不安な点も多いので、
開業初期だけのサポートはあったほうが安心でしょう。

しかし、3~6か月も運営していけば
完全に慣れますので、
毎月毎月同じ業務の繰り返しが続く中で、
ずっと売上の10%ものロイヤリティーを
支払う必要があるのか、
という疑問符が湧いてきます。

仮に、売上100万円(単価3.3万円×患者30名)だった場合、
毎月10万円を本部に支払う計算になります。

ちなみに、余談ですが、訪問マッサージのFCの中には、
ロイヤリティーを固定(毎月5万、毎月10万とか)
で取っているところもあります。

一見、良心的に見えますね。
しかし、これには注意が必要です。

ロイヤリティーが固定ということは、
売上が伸びても伸びなくても
本部に入ってくるお金は変わらないため、
本部に加盟店の売上を増やそうという
インセンティブは働きません。

ロイヤリティー固定のFCは、
フォローが手薄になる可能性が
あるので、加盟する前にチェックが必要です。

ということで、僕の個人的な意見としては、
訪問マッサージのFC本部の加盟金、ロイヤリティーは、
サービスの品質から考慮すると高すぎると考えております。

既に誤って加盟してしまったオーナーさんからは、

「最初すごく高くて、あと要らないんだよね~」

というご意見をお持ちの方もいらっしゃいます。

だったら、スグに脱退すればいいのでは?
と思うのですが、契約書の内容をみると
そんなにすんなり抜けられない契約になってたりします。

なので、冒頭の質問者様の

>業界の事を知らないので
>フランチャイズへの加盟を検討していますが
>どこのフランチャイズが良いでしょうか?

どこのFCに加盟すればいいのかという
選択肢しかないのは危険です。

FCに加盟しなくても、誰でも開業出来ますし、
加盟金やロイヤリティーを支払わなくても
十分運営は可能です。
というか、訪問鍼灸マッサージは、
国が運営しているビジネスモデルなので、
簡単なルールを理解すれば、
ほとんどの方が自力で運営が可能です。

もし、高額な加盟金は払いたくない、
毎月10%のロイヤリティーの支払いもイヤだ、
でも、訪問マッサージ業界の事が分からないので
サポートしてほしい。

そんな考えをお持ちの場合は、
治療院立ち上げ時期の3~6か月間だけ
コンサルティングをお願いするといった
形がベターだと思います。

これだと費用もそこまで高額にならないでしょうし、
ましてや100万円を超えるようなことはないでしょう。

また、ネット検索やフェイスブックなどで検索すれば、
そういったサポートをしている
コンサルタントさんも見つかるでしょう。

もし、見つからない場合は、
日本訪問マッサージ協会にご相談頂ければ、
訪問治療院の立ち上げのサポートもありますので
お気軽にご相談頂ければと思います。

なぜ、僕がこういったことを書くのかというと、
僕自身が現役の鍼灸マッサージ師だからです。

訪問鍼灸マッサージ事業の主役は
国家資格を持った鍼灸マッサージ師です。

心は優しくて、思いやりがあって、
手あてすることで、高齢者を元気にしたい、
という想いはありながらも、
ちょっと恥ずかしがり屋で不器用で、
経営は無頓着な施術者がいるからこそ
成立するビジネスです。

それぞれのFC加盟店の現場で
雇われて働いているのも、
僕たちの同業の仲間の
鍼灸マッサージ師です。

そんな、不器用だけど真面目な
鍼灸マッサージ師には、
少しでも良い想いをしてもらいたいと思っています。

例えば、給料面。
オーナーさんもご自身の生活がありますし、
リスクして起業したので、
借金を返済していくというプレッシャーもあります。

また、高額な加盟金と毎月のロイヤリティーが
厳しくて、キャッシュフローが回らずに
施術者に高い給料を払いたいけれど
払えないという現状もあるでしょう。

であれば、

「加盟金やロイヤリティーを支払うのであれば、
 その分の経費を、現場で汗水流して頑張っている
 施術者に還元してほしい!
 そして、施術者が高い給料を貰えるような
 採用に強い治療院を構築して、
 他の訪問治療院に負けない強みを作って欲しい!」

と考えているのです。

独立開業にはリスクが伴いますが、
初期費用とランニングコストを抑えることによって、
リスクを減らして開業していただきたいと思います。

その為には、色々とリサーチしてください。
googleやフェイスブックでも調査は可能ですし、
勉強会やセミナーなどに参加して、
生の情報をリサーチしてください。

オーナーさんが、勉強しないで参入してしまうと、
僕たちの仲間の鍼灸マッサージ師が
苦しい想いをしてしまいます。

現場の施術者が苦しいと、
それが患者さんにも伝わり
負の連鎖が始まってしまいます。

そうならないためにも、
是非、業界未経験のオーナーさんも
参入前に色々と勉強してください。