寝たきり患者の対応

介護士とおじいちゃん
Q.

寝たきりの患者さんは骨も弱くなっていると思うのですが、
うつ伏せで施術をしても大丈夫でしょうか?

施術の際、気をつけることがあれば
教えていただけないでしょうか?

A.

うつ伏せの状態をキープしても良いのは
ほんの数分間かと思いますし、
刺激量にも注意が必要です。

できれば側臥位で、刺さない鍼を使用(てい鍼や電気鍼等)で
置鍼以外の施術が適しているかと思います。

特に初めのうちは、無理をせず、患者さんの身体を壊さない程度に
とどめておいて、慣れてきたら徐々に動きを増やしていくのが
よろしいかと思います。

具体的には、
鍼灸の施術で血流改善をはかることもできますが、
寝たきりの方に対して必要なことは
まず、筋力向上が主たる改善目標かと思われます。

また、筋力を改善すること以上に重要なことは
日常生活にその筋力を適切に使うことができるかということなので、
自立に向けてどうするかをステップバイステップで
提案してみて下さい。

私がこのあたりの技術的な事に関して参考にしたものは、

要介護3・4・5の人のための在宅リハビリ―やる気がでる簡単リハビリのすすめ

あはき師のための在宅ケア実践マニュアル

です。

訪問マッサージ・訪問鍼灸に関しての本はいろいろありますが
とりあえずこの2冊さえあればなんとか対応できると思います。

あとは、西村先生の在宅マッサージのDVDもとても参考になると思います。

  • 解剖学的肢位理論に基づく在宅ケア実践テクニック 基礎編
  • 解剖学的肢位理論に基づく在宅ケア実践テクニック 臨床編

まずは、このあたりの知識・技術を身につけながら
あとは実践でやりながら慣れていくと良いと思います。

また、リハビリ面の強化には、

  • 完全図解 介護予防リハビリ体操大全集 (介護ライブラリー)
    大田 仁史 (著), 三好 春樹 (編集)

図鑑並みのボリュームで、わかりやすく実施しやすい内容だと思います。
「立ち上がり」や「歩行」を始めるまでのチェックリストなども
系統立てて詳細に書かれていますので、十分役立つ本だと思います。

また、こういった冊子も参考にしながら
少しずつ患者さんの身体の扱い方について
勉強してみて下さい。
高齢者の体の動かし方