医師の主人による同意書発行は一発NG?

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

【Youtube】7月1日から新ルール適用!

こちらの動画をご覧いただいた方から
こんなご質問を頂きました。

Q:
主人が開業医です。
主人が診察している患者様で
歩行困難な方に対して
私が運営している訪問マッサージ院で
施術の対応をしています。
在宅患者さんのみ)

私と主人は「夫婦」という
特別な関係にありますが、
その主人行して貰った
同意で施術したら
不支給になってしまうのでしょうか?

介護施設入居者ではなく、
在宅の患者様でもNGでしょうか?

A:
主人医師行した同意で、
個人宅の患者様を
施術していること自体をもって、
直ちに(で)療養費の
支給対象外となる可能性は
低いと考えられます。

1. 夫婦関係は「特別の関係」には
 該当する可能性が高い

改定されたマッサージの
療養費の取り扱いに関するルールでは、
施術所と他の事業者(医療機関等)の
関係において、
「当該施術所の代表者が、
 当該他の事業者の代表者の
 親族等である場合」は、
「特別の関係にある」とみなされます。

したがって、ご主人が開業医であり、
ご相談者様が
施術所の代表者である場合は、
ルール上の「特別の関係」に
該当することになります。

2. 個人宅への訪問は
 「アウト」にはならないであろう

しかし、「特別の関係」に
該当したからといって、
すべての施術が即座に療養費の
対象外になるわけではないと解釈できます。

ルール上、支給対象外になると
明記されているのは、
「特別の関係にあり、実質的に
 患者による他の施術所の選択が
 できない場合」における、
「当該他の事業者等の入居者等に対して
 行われる施術」です。

ご相談者様が訪問されているのは
「全て個人宅」の患者様とのことですので、
施設や集合住宅などの
「入居者等」には
該当しないと解釈できます

そのため、この規定をもって
即座にアウトになることはない、と
考えられます。

3. 今後の運営における重要な注意点・リスク

直接的な「アウト」には
ならないとはいえ、
今回のルールの根本的な趣旨は、
「特定の施術所への
 不当な患者誘導を防ぎ、
 患者様による妥当な施術所の選択を
 阻害しないこと」にあります。

そのため、以下の点には十分に
注意して運営していただく
必要があります。

・患者様の自由な選択権の確保

主人のクリニックから患者様を
ご紹介(同意行)いただく際
患者様に他の訪問マッサージ院を
選ぶ余地を与えず、
自動的にご相談者様の院に
決まってしまうような
「実質的な囲い込み」が
行われているとみなされると、
保険者から厳しく指導されたり、
不適切と判断されたりするリスクがあります。

あくまで
「患者様ご自身の意思で選んでいただいた」
という実態と説明が
できるようにしておくことが重要です。

・金品や便益の提供の禁止

当然ながら、患者様の紹介の
対価として、ご主人のクリニックに対して
金品(紹介料やその他の経済上の利益)を
提供することは、
夫婦間であっても明確なルール違反となり、
その紹介の結果なされた施術は
療養費支給の対象外となります。

でも、これも「どこまで?」
という疑問が残りますよね。

ルール上、禁止される
「その他の経済上の利益」の中には、
金銭や物品だけでなく
「饗応(きょうおう:酒食でもてなすこと)」も
含まれると明確に規定されています。

家族生活を共にする夫婦ですから、
週末は”ビールでお疲れ様”ってあると思います。

これも「接待(饗応)」として
捉えられたら、
そもそも夫婦生活が成立しません。

夫婦が同じ食卓で
食事やお酒を共にするのは、
般的な夫婦生活であり、
患者を紹介してもらうための
「接待(饗応)」とは
目的や性質が全く異なります。

そのため、般的な
夫婦生活の範囲内であれば、
通常は問題視されないと解釈できます。

ご注意いただきたいポイント
(疑われないために)ですが、
般的な夫婦間の
付き合いであれば問題ありませんが、
第三者や保険者から「不当な利益供与」と
疑われないために、
以下の点にはご留意ください。

『「紹介のお礼」という名目にしない』

当然のことではありますが、
「あなた、今月は新規患者さんの
 同意を3枚いてくれたから、
 お礼に沖縄旅行に連れて行ってあげるね」
といった形にしてしまうと、
患者紹介の対価(接待)と
みなされるリスクが生じます。

『常識的な範囲にとどめる』

夫婦間の食事や旅行の範囲を超えて、
過度に豪華な接待や、
頻繁すぎる飲食の提供などを行うと、
実態として「利益の提供(饗応)」と
疑われる要因になりかねません。

まとめますと、
「ご主人のクリニックの患者様(個人宅)を
 訪問マッサージすること」
自体は禁止されないはずです。

しかし、患者様の選択の自由が
確保されていることや、
不適切な利益の供与がない
クリーンな状態を保つことが、
今後の保険請求において
非常に重要となります。

ご不安な点があれば、
保険者(各都道府県の後期高齢)に
聞いてみてくださいね。