あなたは、
「施術管理者研修って、そもそも何?」
「施術管理者研修って、いつ開催されるの?」
「施術管理者研修って、どんな事を学ぶの?」
「施術管理者研修って、参加するのにいくらかかるの?」
「施術管理者研修って、リアル・zoom(オンライン)どっちが良いの?」
「施術管理者研修って、途中で眠ったらダメなの?」
「施術管理者研修を受けたら何日後に修了書が届くの?」
といったお悩みや疑問をお持ちではないですか?
令和3年度から新たに「受領委任の取り扱いの申し出」を行う場合、施術管理者に「施術管理者研修」の受講が課せられました。
申し出の際には、研修を受けたという証明書を添付しなければ受理してもらえません。
ということで、この「施術管理者研修」というものを実際に受けてみました!
この記事を読み終えたころには施術管理者研修(はり灸マッサージ師)の概要が分かり、
初めて受講する施術者自身や施術者を抱えているオーナーさんも不安がなくなっていることでしょう。
1.そもそも施術管理者研修って何?
「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和 22 年法律第 217 号)第3条の3第2項に規定する「あん摩マッサージ指圧師免許証、はり師免許証又はきゆう師免許証」(同法第3条の 24 に規定する「あん摩マッサージ指圧師免許証明書、はり師免許証明書又はきゆう師免許証明書」又は同法第3条の 23 に規定する指定登録機関があん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師名簿に登録したことを証明する登録済証明書を含む。以下「免許証等」という。)の交付を受けた者を対象とした研修。
令和3年以降、新たに受領委任の取り扱いの申し出をする際には、本研修を受講し、その修了証の写しの提出が求められるようになりました。
そのため、施術管理者になる為には受けなければならない研修といえます。
令和2年までに受領委任の届出を出している施術管理者については、新たに施術管理者の申し出を行う状況にならない限り現時点では受講は必須ではありません。
2.施術管理者の要件追加の背景(あはき)
平成31年1月より、あはきの療養費の取り扱いに「受領委任制度」が導入されました。
その際には有資格者であれば、その保有している資格の施術管理者になれるというものでした。
制度発足時、「受領委任の取扱規定」の第9章 その他における(検討)47条(2)に「新たに施術管理者となる者に研修受講等の適切な要件を課す仕組みについて、平成 32 年4月までの実施を目指して、検討する。」という記載がありました。
これを具現化したものが、施術管理者研修ということになります。
令和2年3月4日付(保発0304第1号)における「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る 療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について」で、施術管理者研修の導入目的が以下の様に記されています。
『新たに療養費の受領委任を取り扱う施術管理者が、適切に療養費の支給
申請を行うとともに、質の高い施術を提供できるようにすることを目的とする。』
このように、あはきの施術に関し、保険適用で対応する場合には定められたルールを理解し、正しく対応することが求められるようになったということだと思います。
はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/20200304_01.pdf
なお、本研修は、各厚生局支局が施術管理者を対象に行う半日の集合研修とは異なりますのでご注意ください。
3.施術管理者研修の申込手順
どこから申し込む?
登録研修機関として厚労省に登録された「公益財団法人 東洋療法研修試験財団(以下「財団」とする)」のウエブページより、インターネットを通じて申し込みます。(受付期間が定められていますのでご注意ください)
「財団」の施術管理者研修に関するウエブページはこちら
↓
https://www.ahaki.or.jp/operation/op_index.html
開催日程
これも財団のウエブページに掲載されます。
令和4年度の日程は以下のとおりです。
用意するもの
Step1 インターネットでの申込み時
・資格の免状(申込時番号などが必要となります)
・卒業した専門学校等(卒業養成施設)の名前
↓
申込みが受理された後
(申込者多数の場合はコンピュータシステムによる抽選あり)
↓
Step2 書面での手続き
・証明写真(縦4cm×横3cm)
※受講が確定した場合に財団から送られてくる、受講料の払い込み証明書を添付する
「振替払込受付証明書貼付け台紙」と「写真台紙」を財団宛の返信用封筒に入れて
提出することにより、研修受講の申し込みが完了となります。
※オンライン受講の場合は、オンラインの接続テストなど「日程」が定められておりますので、必ず財団から送られてくる書類やメールの指示に従ってください。
受講費用
23000円 (2022.4.15現在)
特例とは
本来、受領委任の取扱の申し出を行う時点で施術管理者研修を受講していなければならないのですが、事後受講でも良いという特例扱いしてもらえるケースがあります。
特例扱いで施術管理者になる方は、受領委任の取扱の申し出時に「確約書」を提出します。
その確約書に記載されている期日までに施術管理者研修を受講し、その修了証のコピーを提出しなければなりません。
万一、修了証のコピーを提出しなかった場合には、特例により承諾された受領委任の取扱いについて
地方厚生(支)局長及び都道府県知事は中止扱い(中止相当を含む)とすることができるとされていますので、必ず期日までに提出できるよう施術管理者研修を受講して下さい。
特例の対象となる方を「特例対象者」と呼び、現時点では以下の2つのケースがあります。
なお、2つ目のケースは時限的な対応のようです。
【1つ目】施術管理者が死亡した場合
対象となるのは、施術所の施術管理者が死亡した際、その施術所において勤務する施術者として受領委任の申出がなされており、死亡した施術管理者の代わりに当該施術所の施術管理者として受領委任の申出を行う施術者です。
【2つ目】
施術管理者研修受講が必須となった令和3年時点で、資格取得のために専門学校等に通っている方がいます。
入学段階ではそのような決まりがなく、卒業後資格を取得した時点で即開業できると思っていた学生さん等には突然の要件追加となりました。
そのため、令和3年度から令和7年度までは、一定の要件の下、資格取得の年の5月31日までに新たに施術管理者として受領委任の取扱の申し出を行う施術者が対象となります。
なお、令和3年中の特例として、受領委任の申し出を行った時から1年以内に研修を受講して、その修了証のコピーを提出するとして申出をされていた方々については、研修受講後の修了証のコピーの提出を忘れないようにしてください。
4.施術管理者研修では何を学ぶ?
研修は、16時間、2日間以上の講義による受講とされています。
近々に施術管理者になる予定がない方も、実務経験を満たしていない状況であっても有資格者で有れば受講可能です。
学ぶ内容
研修科目は、令和2年3月4日付の厚労省の通知「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について」において、カリキュラムが定められています。
●1日目に学ぶ内容
午前:「職業倫理」
午後:「安全な臨床」
●2日目に学ぶ内容
午前:「適切な施術所管理」
午後:「適切な保険請求」
レポートは何を書く?
レポートは、受講するカリキュラム「セクション1~4」について作成し提出します。
学習する内容から、課題が出されレポートを作成することになります。
セクション1「職業倫理」
講座の中で学ぶ国家資格保有者としての倫理観、
コンプライアンス等、また、患者様とのコミュニケーションの取り方を抑えていただくと良いかと思います。
セクション2「安全な臨床」
患者様の状況の的確な把握と鑑別、施術の適応の判断と的確な施術、
万一、施術の中で事故が起こった場合の事など、管理者として対応できるような心構えを、勤務者への指導も含めて抑えていただければと思います。
セクション3「適切な施術所管理」
広告制限についてや事故対応、医療事故・過誤防止、医療機関との連携について学ぶ講座となっていますので、
その内容を通じて自身が施術管理者として施術所管理を行うことを前提にご対応いただければと思います。
セクション4「適切な保険請求」
我が国の保険制度と受領委任制度について抑えていただき、不正請求の事例を学び、正しい療養費の請求について押さえていただければと思います。
学んだ内容から、施術管理者という立場でどうするかといったことがまとめられると良いですね。
寝たら退場?ペナルティ?
原則、申し込んだ研修の回で16時間のすべての科目を受講しなければなりません。
受講時には講師や関係者に失礼のない服装の着用が求められ、遅刻は一定時間まで認められるようですが、早退は認められません。
各セクション毎に出席の確認があります。
オンライン研修においては、セクション開始時間から一定の時間は顔出しが必要となります。
途中でトイレに立つといったことは認められているようですが、リアル研修参加と同様真摯に講座を受講してください。
当然ながら、講座内でのレクチャー内容に、レポート作成に必要となる内容が含まれています。
また、開始前に注意事項の説明もありますので、社会人として節度ある態度で研修に臨んでください。
なお、以前、施術しながら研修を受けた方がおられたようで、そのような状況でのご受講はお控え下さいといったアナウンスもあったようです。
5.施術管理者研修後に発行される修了証
施術管理者研修修了証とはどんなものか
研修受講の証明として「施術管理者研修修了証」が交付されます。
修了証に記載される項目は
① 氏名、フリガナ、生年月日
② 研修修了証番号、研修修了年月日
③ 有効期間(研修修了年月日から5年間)
となっています。
施術管理者研修修了証を再発行するには?
研修修了証に記載された氏名の変更や研修修了証を紛失した場合には再発行を依頼することができます。
再発行の依頼は「財団」に依頼します。
なお、再発行には手数料(2022.4.15現在3000円)が必要です。
6.まとめ
施術管理者研修を受けたら出来る事。
それは、「施術管理者になれる」ということです。
当たり前のことですが、重要なことです。
また、研修では新しい情報を得ることが出来ます。
そのため、ご自身の知識のアップデートもできるということになります。
なお、施術管理者研修の修了証には有効期限があります。
受講終了日から5年となっており、もし、新たに受領委任の届出を行う場合には、
有効期限内の修了証のコピーの提出が求められますので、そのようなシチュエーションが発生するような方の場合には、
有効期限到来後は再度受講する必要があるということになります。
(自身が開設者で、施術管理者になる場合には、基本施術管理者の変更は生じないと考えられます。
新たに受領委任の取扱の申し出をなさらない方については、有効期限到来後の再受講は必須ではありません。)
・公益財団法人 東洋療養研修試験財団のウエブページ
https://www.ahaki.or.jp/
・厚生労働省の通知
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken13/dl/20200304_01.pdf