こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
今回は、訪問マッサージのトラブルに関してお伝えいたします。
3月と言えば、専門学校の卒業式が
全国各地で行われる季節です。
学生さんの中には、4月になったら
すぐに訪問マッサージ・鍼灸で
独立開業を目指す人もいるでしょう。
実際に、4月のタイミングで
訪問マッサージ・鍼灸で
独立開業する人が非常に多いです。
ただ、4月から開業するにしても
訪問マッサージで何をどうすればいいのか
分からない方もいると思います。
今日はそんなメルマガ読者さんから
こんな質問を頂きましたのでシェアします。
—–OriginalMessage—–
藤井先生
いつもメルマガ楽しく拝見しております。
現在、専門学校の3年生ですが、
先日、無事に卒業できることが出来ました。
国家試験の発表は3/27ですが、
多分大丈夫だと思ってます。
4月以降に、どうするかは
まだ決まっていないのですが
訪問マッサージの分野にも興味があります。
ただ、学生時代には
訪問マッサージの分野については
一切触れてこなかったので正直
よくわかりません。
具体的には、訪問マッサージは
どんなビジネスなのでしょうか?
また、訪問マッサージのトラブルなどを含めて
リスクはないのでしょうか?
——EndofMessage——
訪問マッサージ・鍼灸は
どのようなビジネスモデルか?
また、トラブルやリスクはありますか?
という2つの質問です。
超基本的な質問なので、
当協会のメルマガの読者さんは、
この辺の所はよくわかっている人が
多いかと思いますが、
復習の意味も込めて解説していきます。
まず訪問マッサージ・訪問鍼灸とは
どんなビジネスなのか?ですが、
寝たきりや車いすなどの患者さんに対して
健康保険適用のマッサージ・鍼灸治療をして
患者さんから自己負担分1割を頂き、
2~3か月後に保険者から残りの9割を
入金してもらって収益を上げるという
ビジネスモデルです。
個人の鍼灸マッサージ師が、
この訪問マッサージ・鍼灸をやって
どのくらい収益が上がるのか?ですが、
具体的な数値を上げるとすると、
患者数 :25人
施術単価:4000円
訪問頻度:週2回(月8回)
継続月数:18か月
1人のマッサージ師の月間売上:80万円(3500円×8回×2
患者さん1人の生涯顧客価値:57万円(4000円×8回×18
になります。
また、他のマッサージ院、接骨院などのように
店舗を構える必要などなく、保健所に
出張届を提出すれば、3~5分程度で開設手続きは完了します。
もちろん、店舗がないので、
家賃や水道光熱費なども掛からないですし、
移動は自転車で十分ですし、
使う用具は手ぬぐいとタオルがあれば出来ます。
つまり、経費がほとんどかからないということが
他のビジネスとは違う点です。
25人の患者さんの獲得については、
主に居宅介護支援事業所のケアマネさんに
アプローチすることになります。
これは、名刺とパンフレットがあれば出来ますし、
伝える内容としては、
・何屋であるか?(どんなサービスをしているか?)
・患者さんの声
・自分の想い
などをステップを踏んで伝えていきます。
しっかりとしたノウハウを学んで
的確なツールを作れば、誰でも
簡単に取り組むことができます。
ただ、今日やって明日になれば
結果(患者さんの紹介)が出ることはないので
3~6か月程度は継続する必要があります。
最初のゼロからイチは、信頼関係を構築するのにやや時間がかかりますが、
一度、ケアマネさんとの信頼関係が出来れば、
1→10、そして25人の患者さんになるのは
難しいことではありません。
頑張るのは最初の3~6か月程度だけで、
そこさえ乗り越えることが出来れば、
ずーーっと月商80万程度(年間で1000万程度)の売り上げを
継続することが出来るのが大きな特徴です。
そして、訪問マッサージ・鍼灸のトラブルやリスクですが、
これは事業なのでいくつか考えられます。
1つ目は「保険治療」であるということです。
訪問マッサージ・鍼灸は「保険治療」で、
1回の施術が300円~500円程度ということが
最大のメリットでありますが、
これがリスクになるということです。
柔道整復の保険請求が厳しくなってきたように、
訪問マッサージ・鍼灸の締め付けも
今後は厳しくなってくる可能性も考えられます。
ただ、すぐに保険が厳しくなることは無いと思います。
現在、柔道整復(骨折、ねん挫)の市場が4000億円、
鍼灸マッサージ(脳梗塞後遺症など)の市場が1000億円です。
超高速高齢化時代と言われる中で、
いきなり骨折、ねん挫の患者さんが増えることはないですが、
脳梗塞後遺症などの患者さんの数は増えていきますので、
鍼灸マッサージの市場については、
柔道整復の市場の4000億程度までは
行くのではないかと考えています。
また、国の方針として「病院から在宅へ」の流れがあり、
在宅でのケアをする訪問マッサージ・鍼灸の分野は
しばらくは、伸びていくと思います。
2つ目は「求人」です。
需要があって、ライバルが少ないので
他のビジネスに比べたら個人の
鍼灸マッサージ師が年商1000万に
到達するのはすごく簡単です。
ただ、個人の鍼灸マッサージ師で
訪問マッサージ・鍼灸をやる場合は
上限が年商1000万程度で頭打ちになります。
また、もし自分が倒れたら売り上げが
ゼロになるリスクも十分あります。
そこで、そのリスクを回避しつつ、
更に売り上げを上げていくには
スタッフさんなどを雇用する必要がありますが、
ここが難しい部分ですし、ヒトが絡むので
トラブルが発生しやすいところでもあります。
患者さんを獲得するより10倍難しいかもしれません。
そもそも、マッサージ師の数は多くないですし、
仮に雇用したとしても、現場での施術方法と
簡単な営業のコツを覚えた段階で
スタッフが患者を引き連れて
独立開業するというケースもあり得ます。
その辺りのリスクや患者引抜きのトラブル等も踏まえて
組織展開していく必要があります。
そういったスタッフとの関係性が
面倒だと思う先生は、
一人で責任が見れる範囲の
20人の患者さんを相手に
日々の施術をして毎月60万程度の
売り上げを継続するという
道を選んだほうがいいです。
「ひとり先生で、毎月60万円」
このあたりであれば、
そこまで大きなトラブルも発生せずに、
治療家としては幸せを一番感じられるラインでは
ないかなと思います。
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