こんにちは。
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
厚生労働省は、
健康長寿や共生社会、高齢者の生きがい、
健康づくり、介護予防などをテーマに、
様々な取り組みを進めています。
9月は敬老の日もある関係で、
9月15日から
21日は「老人週間」になります。
訪問マッサージに
携わっている私たちにとっても、
少し立ち止まって考えたい時期です。
突然ですが、
先生の担当している患者さんに、
「昔はどんな仕事をしていたんですか?」
「若い頃は何が好きだったんですか?」
「どんな場所に住んでいたんですか?」
と聞いたことはありますか?
もちろん、すでに
聞いている方も多いと思います。
でも、意外と
「患者さんの身体の状態」は詳しく知っていても、
「その人がどんな人生を歩んできたのか」は
知らないことがあります。
例えば、
「腰が痛い」
「歩行が不安定」
「下肢の筋力が低下している」
という情報は、
施術をする上でとても大切です。
一方で、
「昔は毎朝散歩するのが日課だった。
毎日2万歩は歩いていた」
「海外旅行が大好きだった。
イタリアは良かったなぁ」
「孫と一緒に出かけるのを
楽しみにしている」
「昔は料理をするのが好きだった。
料理職人になりたかった」
という情報も、
その人を理解する上では
大切なのではないでしょうか。
なぜなら、身体機能の改善は、
それ自体がゴールではないからです。
「歩けるようになったら何をしたいのか?」
「痛みが減ったら何をしたいのか?」
「もう少し身体が動くようになったら、
どんな生活を取り戻したい
ここまで考えると、
施術者の視点も少し変わります。
「膝を曲げやすくする」
だけではなく、
「もう一度、自分で買い物に行きたい」
という患者さんの希望に
つながっているかもしれません。
「ベッドから起き上がれるようにする」
だけではなく、
「朝、自分で窓を開けて外の景色を見たい」
という願いにつながっているかもしれません。
訪問マッサージは、
患者さんの生活の場に伺う仕事です。
だからこそ、
身体だけを見るのではなく、
その人の「暮らし」まで見ることができます。
経営者の方であれば、スタッフに
こんな質問をしてみるのもおすすめです。
「あなたの担当患者さんが、
今一番楽しみにしていることは何?」
この質問に、
スタッフが答えられるでしょうか?
もし答えられるなら、
その施術者は
患者さんの身体だけではなく、
その人自身を見ているのかもしれません。
「老人週間」は、
改めて患者さんの人生に耳を傾けてみる。
「今日は何を話そうかな」
ではなく、
「今日はこの人のことを一つ知って帰ろう」
そんな意識で訪問してみると、
患者さんとの会話も、信頼関係も、
少し変わってくるかもしれません。
“高齢者を施術する”のではなく、
“一人の人生を歩んできた人を支える”。
訪問マッサージの仕事には、
そんな視点も大切なのではないでしょうか。









