訪問鍼灸マッサージ事業のリスクって?

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

訪問マッサージを始めたい方から、
「この事業には、
 どんなリスクがありますか?」と
聞かれることがあります。

制度改定や保険ルールの変更。
もちろん、
そういったリスクもあります。

ただ、実際に経営していて
僕が本当に怖いと思うのは、
もっと身近なところにあります。

それが、
【依存しすぎること】です。

1つ目は、
【患者さんへの依存】です。

たとえば、患者さんが30人いれば
「だいぶ安定してきたな」と思いますよね。

でも、患者さんは高齢の方が中心です。

入院、施設の変更、
体調の急変、そしてご逝去。
こうしたことは日常的に起こります。

ある月に数人の患者さんが
一気に終了することも、
決して珍しくありません。

つまり、
昨日まであった売上が、
来月も同じようにあるとは
限らないのです。

2つ目は、
【施術者への依存】です。

患者さんが増え、
優秀な施術者を採用できた。
その先生が毎月100万円分の
売上を担当してくれている。
院長としては
「よし、これで少し楽になる!」と
思うはずです。

ところが、ある日突然
「来月で退職します」と
言われたらどうでしょう。

患者さん30人、売上100万円。

その先生が抜けた瞬間、
「誰が回るの?」
という状況になります。

訪問マッサージは、
商品を倉庫に置いておける
商売ではありません。

施術する“人”そのものが必要です。

だからこそ、
患者さんを増やす力と同じくらい、
採用する力、育てる力、
そして辞めにくい環境を
つくる力が重要になります。

3つ目は、【紹介元への依存】です。

ある居宅介護支援事業所から、
毎月のように
患者さんを紹介してもらえる。

これは本当にありがたいことです。

でも、紹介の7~8割が
そこ一か所だけだとしたら、
少し怖くありませんか。

担当のケアマネジャーが
異動した、管理者が変わった、
別の訪問マッサージ院と
関係が深くなったこれだけで、
紹介がパタッと止まる可能性があります。

患者さんも、施術者も、
紹介元も、一つに依存しすぎない。

これは経営において、
かなり大事なことだと思っています。

訪問マッサージは大きな店舗も、
何千万円もの設備投資も
基本的には必要ありません。

比較的小さく始められるのは、
大きなメリットです。

しかし、小さく始められるからこそ、
一人の施術者、一つの居宅、
数人の患者さんの影響が
とても大きくなります。

ですから、
売上が伸びてきた時ほど
「今月いくら売れたか」
だけでなく、
次の点を見てほしいのです。

「誰か一人が抜けても大丈夫か?」
「一つの紹介元がなくなっても大丈夫か?」
「患者さんが数人終了しても耐えられるか?」

経営のリスクとは、
何か大事件が
起きることだけではありません。

むしろ、
【一つに頼りすぎている状態】
そのものがリスクなのです。

患者さんを増やす。
施術者を増やす。
紹介元を増やす。

そして、少しずつ
依存先を分散していく。

そうやって

「何か一つ起きても、
 簡単には倒れない治療院」を
つくっていくことが、
訪問マッサージを長く
経営していくうえで、
とても大切だと考えています。

リスクを恐れて
何もしないのではなく、
リスクを知ったうえで、
倒れにくい形をつくる。

ぜひ一度、自院に
「ここがなくなったらヤバいな……」
という部分がないか、
チェックしてみてください。