いくら手元にあれば安心か?

現金

こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

8/20(日)に開催予定の
「院長手取り倍増セミナー」に
ご参加いただいた先生に
事前のアンケートにご協力いただいているのですが、
その中で、

  • 「売上は上がっているのだけど、
     銀行口座には全然、キャッシュが無くて厳しいです…」
  • 「勤務時代よりは稼いでいるのに、とにかくお金が残らないです。
    子供の進学や両親の介護などの不安もあるので、心配事が絶えません…」
  • 「恥ずかしながら2017年8月現在の口座残高は38万円です。
     それほど贅沢な生活をしている訳ではないですが、
     なぜかお金が残りません…」

という回答をいくつか頂き、
手元に現金がないことで
お悩みの方が結構いらっしゃいました。

治療院経営する先生にとって、

「キャッシュ(現金)は、いくら手元にあれば安心か?」

ということですが、

「そりゃ、あればあるほど良いに決まっている!
 100万より、1000万。1000万より、5000万。
 5000万より1億円あれば安心だよ!」

という声が聞こえて来そうですが、
1億円の現金を手元に置いておくとなると、
治療院経営者の中でもトップ層だけに
限られて現実的ではありません。

そもそも、
訪問マッサージ・訪問鍼灸で
ある程度の規模になってくると
一番困るというか、管理が大変なのが

「キャッシュフロー」

だと思います。

キャッシュフローとは
要はお金の流れという意味なのですが、
いわゆる

「資金繰り」

という意味で使われることが多いです。

治療院の銀行口座の預金額が
増えているか、減っているかという意味合いですね。

多くの治療院の場合、
利益が出ているかどうかと、
キャッシュフローが安泰か
どうかというのは別問題です。

例えば、
月間100万円の「利益」が出ていたとしても
月間100万円、銀行口座の預金額が増えているとは
限らないのです。

それはなぜかという
いろんな要因があるのですが、
訪問マッサージ・訪問鍼灸での主な要因は

  • 在庫
  • 売掛金

です。

訪問マッサージ・訪問鍼灸は、
施術者が居ないと売り上げがあがりません。

この場合の、在庫とは、
高い人材採用費や研修費、
毎月の給料や社会保険料などの代金を
支払って人材を仕入れて、
正社員の施術者をキープしているけれど、
対応する患者さんが居ない、
又はデビューできる基準に達していないなど
で、売上に繋がらないことを指します。

売掛金は、施術をして
売上は立っているけれど
まだ銀行にお金が入金されていないこと。

通常は、保険診療(9割分)の入金は
2~3か月後になりますので
それまでは、売上の90%は
入ってこない状態になります。

つまりは、銀行口座から
お金が減っているけれど、
それに利益が乗っかって
返ってきていない状態のことです。

訪問マッサージ・訪問鍼灸の
事業規模を大きくすればするほど
この部分が大きくなっていく傾向にあります。

売上・利益を出すためには仕方ないのですが、
ここをいかにコントロールするかが
院長先生としては重要な部分です。

ただ・・・、そうは言っても、
相当、キャッシュフローが
きつくなることってありますよね?

僕も何度かあったのですが・・・

「あと10日後に780万円必要・・・チーン」

みたいな状況です。

こんな時って、
あなたはどうしています?
もしくはどうする予定ですか?

手元のキャッシュを厚めに
置いておきたいというのは
院長先生であれば
誰もが考える事でしょう。

そんな状況の治療院の
資金繰りを良くする方法として

  • 借り入れをする(借金)

という手法があります。

日本人にとって、
”借金”というキーワードを
見ただけで、悪いものと思いがちですが、
良い借金というのも存在します。

事業投資や不動産投資などで
資金を借りてレバレッジを掛けるのは、
良い借金の使い方になります。

訪問マッサージ・訪問鍼灸の場合は、
保険者からの入金が3か月後になるので、

”月商の3か月分のキャッシュ”

が手元にあれば、ひとまず安心であると言われています。

個人治療院の先生で
月商70万円程度であれば、
200万程度が一つの目安。

また、スタッフを雇用していて、
月商350万円の訪問マッサージ院であれば、
常時1000万程度の現金があれば、
比較的安心して事業経営が出来るはずです。

月商の3か月分の現金と言われると、
治療院の口座には、そんなに多くの
現金が残っていない方もいらっしゃるでしょう。

これは、何も治療院の銀行口座だけに
限定する必要はありません。

院長先生の個人通帳の残高、
株や投資信託の金融資産、
金利ゼロで借りれる、親借金額、
なども含めて、

”1週間以内に目の前に現金1000万円を用意できる状態”

であれば問題ありません。

でも、仮に

治療院の口座 :300万円
院長個人の口座 :150万円
株式(金融資産):100万円
親借金可能額  :50万

という状況であれば
安全ゾーンといわれる現金1000万には
残り400万円足りません。

そんな状況の時は、
銀行や信用金庫から400万程度
借入して、手元に
1000万の現金を置いておくという
選択肢を取るのが賢明です。

マイナス金利の影響で、銀行や
信用金庫なども事業実績の良い
会社や治療院には、お金を貸したくて
仕方ない状況なのです。

なので、院長としても
銀行が安心して貸してくれるように、
決算書や確定申告書の見栄えを
日頃から良くしておく必要があります。

治療院業界では、
豪快な性格の先生が多いのか、
売上は上がっているのに、
全然、手元に現金がない院長の
割合が多いです。

豪快な性格の先生は、
儲かったら、そのお金で

「オンナ、酒、新車、腕時計、別荘・・・」

など、お金があれば、その分
全部使っちゃうというタイプですね。

でも、治療院業界において
順調にビジネスを伸ばしていく
院長先生というのは、明らかな共通点が、
ひとつあります。

それは、

「お金の使い道を大事にする」

という1点に尽きます。

決して無駄な浪費をせず、
自分が確信を持てない
怪しい投資話などにも決して乗らず、
まじめに、患者さんやスタッフのことを考え、
払うべき法人税をしっかり払って、
毎年きちんと会社に内部留保を残していく。

あたり前のことなのですが、
あたり前のことができる院長というのは、
かなり少ないと思います。

訪問マッサージ・訪問鍼灸で成功して、
ちょっとお金回りが良くなったからといって、
目の前の快楽のために、お金を使ってしまっては、
やはり経営はうまくいかないのだ、
ということを痛感します。

お金に振り回されず、しっかりと
お金をコントロールできる忍耐強さを持つ院長が、
成功するための条件なのかもしれませんね。