こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
先日、
訪問鍼灸マッサージ会社の
営業職(相談員)の方から
こんなご相談を頂きました。
↓↓↓
—– Original Message —–
藤井様
いつもメルマガ購読
させていただいています。
私は現在、
ある訪問マッサージ会社で
営業職(相談員)として
働いています。
炎天下の真夏の
営業活動を継続して、
今月も6名の新規患者さんを
獲得しました。
今の会社(治療院)には
3年前に入社しましたが、
今まで累計で
85名の患者さん獲得を
してきました。
今まで、
会社(治療院)には多くの
利益をもたらしたと思いますが、
その割に
給与が少なすぎて・・・。
この経験をもとに
自分でやってみようと
思うのですが、
どう思いますか?
—— End of Message ——
ご質問を頂いたのですが、
「こういうケースでの
独立起業って
あんまり良くないなー」
と思ってしまいます。
いわゆる
「勘違い起業」
に該当するのかなって。
訪問鍼灸マッサージ会社の
営業職(相談員)って
自分で売上が
立てられる職種ですよね。
だから、自分が今まで
どれくらい売ってきたのか?
今月はこれくらいの
売上を作ったか?
などの数字は
大体わかると思います。
例えば、
・「今月は新規患者さん
6名獲得した。
LTV50万の患者さんが6名だから
50万×6名=300万
今月だけで新たに
300万相当の売り上げを作った」
・「入社して3年経ったが、
振り返ると
営業として今まで
85人の患者さんを
獲得してきた。
今でも多くの方が
継続して施術を受けているので
85人×3.5万/月=
300万/月の
売り上げを
毎月作っている。」
と、なんとなく
把握できるわけです。
しかし、
給与明細を見ると、
そこには額面で25万円、
そこから、
健康保険、厚生年金、雇用保険、
所得税、住民税と
いろいろ引かれると
手取り19万8000円の
お給料しかないわけです。
「毎月300万の
売上を出しているのに、
手取り19.8万円しか
お給料ないって
どういうこと??」
となって、
「それだったら、
自分で起業して、
自分が代表で
月商300万円で
年商で3600万じゃん!
業務委託のマッサージ師さんに
半分あげても
1800万の年収になる。
今とは全然違うぞ!」
となるわけです。
そして、
多くの場合、こういう
起業はだめになります。
まさに勘違い起業。
なぜかというと、
治療院(会社)というのは
営業マン(相談員)が
「ものを売る」だけで
成り立っているわけでは
ないからです。
その営業マンが
販売する商品
(訪問マッサージ、訪問鍼灸)は、
・誰がいるから
成立しているのか?
・誰がマーケティング
しているのか?
・誰が運んでいるのか?
・その営業マン(相談員)が
活躍するために
一体誰がバックヤードで
サポートしているのか?
・その営業マンが獲得してきた
新規患者さんのサポート
(同意書、体験治療、レセプトなど)を
一体誰が行っているのか?
・その営業マンを
3年間も正規雇用して
25万円の給与と
3.8万の社保費用で
毎月28.8万円、
3年間で1037万の人件費を
一体誰が支払っているのか?
そういうことを考えると、
実は自分が出している
売上(利益)の大きな部分が、
いろんなコストが
掛かってくることがわかります。
また、運よく仲の良い
マッサージ師さんを引き連れて
独立できたとしても、
その施術者が
居なくなってしまったら
売るものも
何も無くなってしまいます。
そうなると
どうなるかというと、
新たな採用コストもかかって、
利益率も下がるわ、
他のコストも掛かるわ、
いろいろあるわで、
結局、夢の年収1800万には
ならないわけです。
会社(治療院)という
組織の一員として立てていた
売上や利益を独立してゼロから
自分があげていくのは
結構難しいんですよね。
ということで、
もし、訪問マッサージの
営業職(相談員)を
やっていて同じ業種で
起業しようと考えている人、
今の自分の力のうちの
どのくらいが、
会社の力に依存しているのか
を考えてみるといいですね。
とはいえ、どうしても
自分でやってみたい!
となったら、やってみると
良いと思います。
仮に失敗しても
またやり直せばいいわけですし、
うまくいけばアッパーは
青天井になりますからね。