こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
さて、本日はこれから脱サラして、
訪問マッサージ事業を始めようと
思っている片からご質問を頂いたので
シェア致します。
藤井様
先日、御協会に資料請求させて頂いたものです。
昨年末で無事に20年間勤務した会社を
卒業することが出来ましたので、
2019年から、訪問マッサージのビジネスを
始めたいと考えております。
業界の事を知らないので
フランチャイズへの加盟を検討していますが
どこのフランチャイズが良いでしょうか?
もし、評判などご存知でしたら教えて下さい。
訪問マッサージの施術も分からない、
訪問マッサージの集患も分からない、
訪問マッサージの採用も分からない、
訪問マッサージの教育も分からない、
訪問マッサージの財務も分からない、
とにかく、業界の事を知らないけれど、
高齢者社会の中で、まだまだニッチな
訪問マッサージ事業をスタートしたら
イケるのではないか!
業界のことも良くわからないし、
施術も集患も採用も教育も財務も
ゼロから勉強するのは大変だし、
自分で500万のお金と3年間の時間を投資して、
国家資格を取るのも大変なので、
とりあえず、フランチャイズ(FC)へ
加盟すれば何とかなるのではないかと
思う方は多いようです。
ただ、FCに加盟すると、初期費用として「加盟金」、
毎月発生する費用として
「ロイヤリティー」を本部に支払う必要があります。
チェーンによって差はございますが、
訪問マッサージのFCの「加盟金」は
通常100~500万円程度、ロイヤリティーは
通常売上の5~10%程度が一般的です。
それでは、加盟金とロイヤリティーを支払う事によって得られるサービスと、
それが価格と見合っているかどうかについて考えてみます。
加盟金に対するサービスとその必要性について
まず、加盟金についてです。
FCの加盟金がどのように決められているかというと、
特に明確な理由や論拠があるわけではなく、
他の本部と横並びで加盟金の金額を決めているところも少なくないようです。
A社の加盟金が200万なので、
うちは少し下げて180万ね、、、
みたいな。
そのように決められる場合も多い加盟金ですが、
果たしてそれに見合うサービスは提供されているのでしょうか。
加盟金を支払う事によって得られるサービス(メリット)としては、
「ブランドイメージ」「商圏調査・立地診断」「初期研修サポート」が挙げられます。
まず、「ブランドイメージ」について考えてみます。
例えば、おにぎりを買いたいとなった時に、
「藤井商店」という良くわからない個人商店と、
「セブンイレブン」という全国規模のコンビニエンスストアが
目の前にあったら、どちらを選ぶでしょうか?
おそらく、99%の方が
「セブンイレブン」のおにぎりを買うでしょう。
なぜ、セブンイレブンのおにぎりが選ばれるのかというと、
誰もが「知っている」からです。
ブランドとは、一言で言うと
「知っている」かどうかです。
- 知っている=安心して買える
- 知らない =怖くて買えない
だから、大手企業は知ってもらう為に
テレビCMなど莫大な広告費を掛けて
認知活動をしているのです。
では、患者さんが脳梗塞後遺症を患い、
自宅でのリハビリやマッサージをやりたいと思った時に、
「藤井訪問マッサージ」という個人治療院と
「XYZ訪問マッサージ(仮)」というFC治療院が
目の前に、あったらどちらを選ぶでしょうか?
おそらく、99%の方が迷うでしょう。
どちらの治療院も初めて知ったので、
良いか、悪いか分からない。
良いか、悪いかを確かめるために、
2社の体験治療を試してみて、
良かった方に依頼する、
そんな流れになります。
訪問マッサージの場合は、
テレビCMなど莫大な広告費を掛けて
一般患者さん向けに認知活動しているところはないので、
どこの治療院も
- 知らない =怖くて買えない
だから、試してみて安心できそうな先生だったら
お願いするということになります。
このような状況下、一般の患者さんにとって
圧倒的に「知っている」という存在にならない限り、
必ずしも差別化要因になりません。
次に、商圏調査・物件探索ですが、
どこで開業するのかという立地が非常に大切です。
特に、開業初期は立地が集患に大きく影響します。
激戦地という場所でスタートするには、
同業他社に勝てる何か特別なものがないと厳しいでしょうし、
田舎で開業する場合は、
スタートはスムーズにいくことが多いですが、
同意書の問題や、施術者採用の問題などで
行き詰るケースもあります。
今後の方向性を考えて、
これらをしっかりと本部にサポートしてもらえる
価値は非常に大きいといえます。
最後に、初期研修についてです。
未経験の方であれば、電話応対、患者さん・ご家族面談、
ケアマネさんへの挨拶、ドクターへの挨拶など、
不安な事は山積みかと思います。
したがって、これらも必要ですし、
FC本部は加盟金の対価として初期研修を用意しています。
しかし、これらのサービスを提供するのに、
100~500万円程度の加盟金は必要なのでしょうか。
実は、加盟金は、必ずしも加盟者の為だけに使われている訳ではありません。
その多くが、本部の利益になったり、新規FC加盟者獲得の為の販促など、
本部の為に使われたりしている可能性があります。
つまり、支払った加盟金の大半は、
本来の初期研修費用ではなく、
他のオーナーさんを勧誘するための
経費に使われているのです。
これはちょっと納得がいきませんよね。
この他にも
ロイヤリティーに対する対価や
他のオーナーさんとの交流など
重要な点がいくつかありますが、
盛りだくさんになってしまいそうなので、
また次回以降にお伝えしますね。