必要性を明記すべし

車椅子
Q.

最近、保険が厳しくなり往療料が認められないケースが増えているそうですが
同意書に「歩行困難のため往療が必要」などの文言を書いてもらった方が
スムーズにいくと思うのですが必要ないでしょうか?
それともあえて別な理由があり文言の記入を促さないのですか?

A.

もちろん記入していただいていいと思います。

マニュアルで参考資料にしている同意書の書式は、
厚労省が公表しているテンプレートを採用しているのですが
(鍼灸の場合は往療の必要があるかどうかを
施術者が判断できる事が前提になっているため記載欄がありません)、

保険者や病院側から、決められたものを使うように指示されることもありますので
つきつめれば、ケースバイケースです。

さらにそのうえで、往療費申請を保険者が認める可能性を高めるために、
申請書の摘要欄などにその旨を記載する必要があります。

鍼灸の同意書とレセプトなら、病院のカルテと併給にあたらないような疾患名で、
なおかつ歩行困難の原因となっているものを選択し、明記しなければならないでしょう。

多くの保険者では、五十肩や頸肩腕症候群で疾患名のみの記載では
往療費の請求は認められにくいと思います。

例えば、摘要欄に

『上記疾患による疼痛のため、自力での通院が困難なため往療』 や、

『車椅子での生活をしており、自力での通院が困難なため往療』

と記載して、往診の必要性を明記すれば、認められるかと思います。

原則的には、疾患と往療の必要性について、レセプト上で
整合性が認められれば、何の問題もないかと思います。

往療の必要性については施術者側のある程度の判断基準になりますが、
明確な線引きがあるかというと、そうではないのが現状です。

保険者の裁量権により
往療の判断基準を特別に設けている所もありますので、

「不正をしたくないのでお伺いしたいのですが、
 往療費はどこまでセーフでどこからアウトですか?」

といった感じで、 
申請する前に直接保険者に聞いてみるとスムーズかと思います。

例えば、杖やシルバーカーなど補助具を使ったり、介助者がいたりしても、
自分の足で移動が出来る(他の医療機関に通院、
デイ・サービスやデイ・ケアに通っている)事実があると、
保険者から問い合わせがくることもあるようです。

往療費請求も含め、保険申請をどこまで認めるかの線引きは、
もとよりの保険者対応の差異と、医療・介護サービスの多様化によって
ますます基準がまちまちです。

実際には、全国レベルでとても流動的です。

今後も、各保険者・市町村等の裁量権の中で、
それぞれ往療費の扱いが変わってくる場合があります。

なので、往療費や施術費に関しての
取り扱いは各保険者さんで
微妙に異なる場合がありますので、
ご不安な場合は、事前にご確認されてから
対応するのがよいと思います。

判断に迷ったときは

「確認させて頂きたいのですが、こういう同意書で、
こういう記載の場合、いかがでしょう?」

「不正をしたくないので確認させてほしい」

といって問い合わせをすれば
まったく問題はないかと思います。