こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
訪問鍼灸マッサージ業界の
お隣の業界と言えば、
訪問看護です。
その訪問看護の業界で2003年に設立、
その後、2013年にマザーズ上場、
2015年に東証一部に昇格した
N・フィールドさんという
会社があります。
その、N・フィールドさんが
投資系会社のTOB
(株式公開買い付け)実施により、
子会社化されるというニュースが出て、
訪問治療の業界の中でも
ザワついています。
↓↓↓
—– Original Message —–
【投資会社ユニゾン・キャピタル、
精神科領域の訪問看護事業を手がける
N・フィールド<6077>を
TOBで子会社化】
投資会社のユニゾン・キャピタル
(東京都千代田区)は5日、
精神科領域の訪問看護事業を手がける
N・フィールド(東証1部)
対して完全子会社化を目的に
TOB(株式公開買い付け)を
実施す
買付代金は約155億円。
成長事業へ経営資源を
集中できる体制を
構築するためには非公開化が
適切だと判断した。
N・フィールドはTOBに
賛同している。
(M&A Onlineより)
—— End of Message ——
今回のニュースは、
上場企業の買収案件といことで
155億円程度の規模間ですが、
最近、コロナの影響で
訪問治療院の売却に関しての
お問い合わせを頂く機会も
増えてきました。
上場企業の売却案件とは違い
規模感はとても小さいですが、
例えば、
月商90万(患者数34名)の
訪問治療院のオーナー様から
このような案件を頂きました。
——————————
・最近3か月の月商
11月度: 92万円
12月度: 90万円
1月度: 85万円
・現在の施術者数(有資格者)
あん摩マッサージ師 1名(3月退職予定)
はり灸師1名 (業務委託)
・借入金
無し
・事業売却の理由
→他の事業にリソースを
集中させたいため。
・希望売却金額
500万円(応相談)
——————————
訪問鍼灸マッサージ院のM&Aですが、
買い手(買収側)のメリットとしては、
1:スピーディーな経営戦略
コツコツとケアマネ営業をしなくても、
患者さんが付いています。
新規患者34名を獲得するには、
それなりの時間と労力がかかりますが、
お金で時間を買う行為をすることで
スピーディーな経営が出来ます。
2:事業規模の拡大
患者さん34名が増えることで、
それらの患者さんに付随した
ケアマネさん、ドクターの
関係も入手することが可能です。
患者さんの開拓と共に
時間と手間がかかるのが、
ケアマネさんとドクターとの
関係構築です。
ケアマネさんとドクターとの
関係があれば、
事業規模を拡大するのは
比較的簡単です。
3:事業の多角化&シナジー効果
現在、整骨院のみ、自費治療のみの
運営をしている方は
新規事業参入のメリットがあります。
現在の市場環境は変化が激しく、
昨日までの強みが
弱みになる可能性もあります。
既存事業の強化のみならず、
市場のトレンドに合った事業を
始める必要もあります。
いわゆる「多角化」と呼ばれる
経営戦略です。
ただし、ただ闇雲に多角化を実施すれば
良い訳ではありません。
既存事業との関連性が高い
多角化の方が、成功確率は高いです。
今までは、自費治療院や
整骨院に通院できたが、
高齢化によって歩行困難になって
通院が出来なくなったという
ご相談も増えてくるでしょう。
院内に、鍼灸師やマッサージ師の
有資格者がいればスグに
事業を立ち上げることが可能です。
よって、既存事業との
相乗効果(シナジー効果)を
生み出すメリットを期待できます。
以上が、買い手側の治療院が
M&Aを行うメリットです。
実際問題、いざ買おうとなった場合は、
色々と不安な部分もあると思います。
「特に、月商90万円の規模で
運営しているのに
なぜ、事業を売るのか?」
何か、裏があるのでは?
と思いたくなりがちです。
なので、もしあなたの目の前に
M&Aの案件が現れたときには
次の項目は
チェックした方が良いです。
1:患者さんが担当施術者に
依存していないか?
(その先生じゃなきゃ、継続しない!
とならないか?)
2:同意書は問題なく継続できるか?
(特別なコネがある
ドクターではないか?)
3:マッサージの同意書を
鍼灸の同意書に変更できるか?
(鍼灸師の施術者割合が高い場合)
4:患者さんが、実は歩けたりしないか?
(歩行可能な微妙な患者さんは
含まれていないか?)
5:患者さん全員が
施設入居者ではないか?
(特別なコネがある施設案件ではないか?)
6:患者さん全員が1人の
ケアマネの紹介ではないか?
(特別なコネがあるケアマネがいたから
成り立っていたのでは?)
7:LTV(生涯顧客価値)は
どの程度の患者が多いのか?
(平均何か月続くのか?)
等など。
今後、
訪問鍼灸マッサージ業界においても
コロナの影響や
院長の高齢化などによって
このような案件も増えてくると
思いますので、アンテナ高く
チェックしておきたいですね。