こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
緊急事態宣言の延長などもあり
店舗を構えている治療院で
働いていた施術者さんが
訪問治療の業界に流れてくる、
最近は、そんな動きが
見られるようになってきました。
今は、他の月に比べて
施術者採用がしやすい時期です。
現在、一都三県
(東京、神奈川、千葉、埼玉)の
エリアにおいて
鍼灸マッサージの
資格を持った施術者を
正社員で雇用する際には、
「月給25万程度」
が1つの基準になってきます。
25万円の給与の施術者が
3年間勤めて辞めた場合のコストって
いくらくらいになるか分かりますか?
これっていろいろな
計算式があるのですが、
概算で計算するとズバリ
約1500万円です。
まずは、施術者の
採用を決めた瞬間に
給与以外に保険料や
通勤交通費などの経費が
かかります。
通勤費は人によって違いますし、
保険料は年齢などによっても
違うので一概にいえませんが、
ザックリ計算すると、
(25万×12か月
+ボーナス)×1.3倍程度が、
1年間にかかる人件費となります。
そのほかには、
在宅の現場に慣れていない
施術者の場合は、最初の数ヶ月は、
座学の研修や現場研修が必要なので、
その研修費用や、研修する人の
人件費もかかります。
研修を行う人は、
現場の施術を外れるわけで、
その分の患者さんの対応は
他の施術者社員で
カバーすることになり、
結果として
残業の増加などが起こります。
また、往診用のバイク、
賠償保険、白衣、ガソリン、
ipad、ケータイ電話、
パソコンを準備したり、
文房具や新人施術者が使用する
光熱費や通信費もかかりますよね。
さらに入社や退社などの
労働保険・社会保険の手続きする人の
各種費用もかかってきます。
もちろん、採用媒体の
広告費であったり
採用までの面接官の人件費、
紹介会社さんを使う場合は、
年収の20~30%程度の
コストもかかってきます。
なので、もろもろ計算すると
ザックリ3年間で
1500万円はかかるのです。
では、質問です。
あなたの治療院で3年以上勤務している
施術者の割合は何%程度でしょうか?
なぜあなたの治療院の利益率が低く、
赤字ギリギリのラインなのか?
なぜ治療院の銀行口座に
お金が残らないのか?
実はこの辺に理由がある
可能性が極めて高いのです。
で、もし仮に採用した施術者が3年で
1500万円のコストがかかったとしても
その施術者が3年間で、2000万円の
売上を作ってくれるのであれば、
投資は成功したと
言えるのかも知れません。
しかし1000万円しか
稼げない施術者だとしたら、
治療院としては、
500万円は損をした
ということなんですよね。
それ以上に、
せっかく苦労して採用した
施術者で、周りのスタッフも
期待をして色々と
教育したにもかかわらず、
3年未満で辞めてしまったら、
その姿をみた、周りの先輩社員の
モチベーションは、
ダダ下がりになります。
施術者の採用は
とても大事です。
でもその先の
「採用 → 教育 → 定着」
という一連の流れや仕組みを
しっかりと整えておく
必要があります。
ただ、この辺りの仕組化は
スグに構築できるものでは
ありませんので、
小さな失敗を繰り返しながら
自分の院に合った手法を
確立するのが良いです。
この辺りは、子育てと
似ている部分があって
外部のコンサルやセミナーなどで
良さげな情報を鵜呑みにして
試してみても案外上手く行きません。
その家庭や治療院の
独特の信条とか考え方があるので、
参考にはするのは良いですが、
見極めは必要ですね。