こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
先日、当協会の会員さん
(オープン4か月目)から
「1か月で新規依頼20件ありました!」
という嬉しい報告が届きました。
地元で長年にわたって
訪問マッサージ院運営をしており
専属の営業スタッフがいるような院であれば
1か月で20件の
新規依頼が入るのは理解できますが…。
まだ、ひとりオーナーの状況で
全てゼロから取り組んだ
営業活動を通して
月に20件の新規依頼を頂くのは
凄いことです。
もちろん、そこに至るまでには
色々な仕掛けと仕組みがありました。
でも、これって偶然だと思いますか?
実は、まったくの“必然”なのです。
そもそも「営業」と聞くと、
あなたはどんなイメージを持つでしょうか?
・商品(施術)を売り込むこと
・パンフレットを配ること
・ケアマネ訪問をむやみに繰り返すこと
確かに、それも営業の一部かもしれません。
でも、それは“本質”ではありません。
営業の本質とは、「知ること」。
もっといえば、
「目の前の人が、何に困っていて、
何を望んでいるかを探し出すこと」。
ドラッカーは言いました。
「企業の目的は、顧客の創造である」
つまり、訪問治療院の未来を決めるのは
院長でもスタッフでもなく、
“患者さん”なのです。
どの地域に、どんなニーズがあるのか。
どのケアマネが、
どんな不安を抱えているのか。
そして、それをどうやって満たしていくか。
ここがすべての出発点です。
「売る前に、知れ。」
これが、鉄則です。
では、その“知る”ためには
どうすればいいのか?
難しいことではありません。
たとえば、地元の公園で
毎朝6:30から開かれているラジオ体操。
最初はただ参加するだけ。
でも、毎日同じ顔ぶれが集まるので、
時間が経つと、顔見知りになってくる。
するとある日──
「最近、田中さん来ないねぇ…
転んで入院したらしいよ」
「鈴木さん、足が悪くて
遠くに歩けなくなったんだって」
なんて、ポロッとご近所情報が耳に入ってくる。
ここで終わらせたら、ただの世間話です。
でも、ここから一歩踏み込んでみる!
そうすると後日、
そのおじいちゃんのご家族から
「ラジオ体操で話を聞いたんですけど…」
と紹介が来る、
というのは実際によくある事例です。
その他にも例えば、近所の居酒屋さん。
たまたま投函されていた
手書き風ニュースレターには、
「今月は親父の介護で実家に帰ることが多く…」
「高齢のお客さんから
“歩くのがしんどい”って声が増えてきまし
など、店長の何気ない
つぶやきが綴られていたりします。
それを見てピンと来たあなたは、
「こういう訪問マッサージのサービス、
役に立つかも」と思って
名
「あ、実はね、うちの母も
足が悪くて困ってるんですよ」と
“飲みの場”から
商談に繋がるパターンもあります。
このように日常の中に
“営業チャンス”が
溶け込んでいることもあります。
そしてそれは、
“知ろうとする姿勢”と“アンテナの高さ”
がある人にしか見えない世界なのです。
要は、アンテナを張り、
ファクト(事実)を拾うこと。
これがマーケティングでもあり、
戦略でもあります。
これは、訪問鍼灸マッサージのように
“ニーズはあるけど知られていない”
業種にこそ、
「営業の本質=知ること」
の考え方はドンピシャでハマります。
なぜなら、、、
世の中には「欲しい」と言っている人よりも、
困っているけど、自分が欲しいとは
気づいていない人の方が圧倒的に多いからです。
例えば、、
寝たきりのおじいちゃんを自宅で
介護しているご家族がいるとしましょう。
腰が痛い、体が硬くて動かない。
でも、その人たちは
「訪問マッサージを受けたい」とは
思っていません。
なぜなら、
“サービスの存在自体を知らない”からです。
・そんなサービスがあることを知らない
・健康保険が効くことを知らない
・受けられる条件も、手続きも、何もわからない
この状態の人たちに、
「当院のパンフレットを渡せば伝わるはず」
と思っていても、残念ながら
“届かない”ことがほとんどです。
なぜか?
実際にその方に接点を持つのは、
ケアマネさんやご家族であることが多く、
当の本人(=患者さん)は
そのサービスの存在すら知りません。
そして、ご家族も
“医療=病院で受けるもの”
という思い込みが強く、
選択肢としてさえ
入っていないのが現実です。
つまり、訪問鍼灸マッサージというサービスは、
「ニーズはあるのに、選ばれようがない」状態
にあるのです。
ここに対して、ただチラシを置いたり
パンフレットを送ったりしても、
“情報としてスルーされてしまう”だけなのです。
だからこそ必要なのが、
「何に困っているのかを知る=
ファクトファインディング」であり
“見えていない不満”や
“気づいていない課題”を引き出してあげ
でも、逆に言えば、
地域の高齢者や
ケアマネさんに知られさえすれば、
そしてニーズを探し出せれば、
一気に支持される業種でもあるので
そのためには、
「売る」ではなく「知る」ことです。
・どんな患者さんが困っているのか?
・どんな家族が負担を抱えているのか?
・どんなケアマネが悩んでいるのか?
こういった“ファクトファインディング
(事実の発見)”を丁寧に
相手がまだ言語化できていない
「潜在ニーズ」に辿り着くことがで
この一歩を踏み出せる院だけが、
“営業せずに紹介が
自然に集まる状態”を作ることができるのです
あなたも、もう一度、
営業という言葉を見直してみてください。
チラシや紹介ツールの前に、
“相手を知ること”からスタートする。
それだけで、経営の景色は変わります。