こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
今日は、これから訪問鍼灸マッサージを
開業しようとしている方に
「絶対に失敗してはいけない“お金の話”」
をします。
それはズバリ
人件費、つまり固定費の扱い方です。
先日、脱サラ起業しようとお考えの方が、
「自分は地元に知り合いも
たくさんいるし、
おじいちゃん、おばあちゃんの
コミュニティも知っているので
集客は問題ないはず。
最初から施術者を
正社員雇用で3名くらい採用しようと
考えているのですが、問題ないですか?」
とご質問を頂きました。
思わず、ちょっと待って!!!と
言ってしまいました。
独立起業して
最初に意識すべきことは、
「売上」でも「集客」でもなく、
まず“固定費をいかに抑えるか”です。
特に訪問鍼灸マッサージのような事業では、
人件費が全固定費の中で
一番ウエイトを占めることになります。
にもかかわらず、
勢い余って最初から
「3人正社員で雇います!」
なんて話をしてくる人が意外と多いのです。
はっきり言います。
それ、絶対にダメです。危険です。
なぜなら、
まだ患者数も安定していない段階で
3人の正社員を雇えば、
固定費だけで月100万円以上が
毎月自動的に
出ていく構造になるからです。
例えば、1人あたりの人件費が
月35万円(給与+社会保険)とすれば、
3人で105万円の固定費になります。
売上が立つ前から、いきなり
月100万円の固定費を背負うことに
開業直後なんて、
集客も採用も試行錯誤の連続です。
最初の3ヶ月で赤字100万円、
200万円はあっという間。
そこに固定費が重なると、
半年持たずにキャッシュが尽きます。
よくあるのが、
「どうせうまくいくと思ったから…」
「将来を見越して人を入れました」
というパターン。
気持ちは分かりますが、
これは起業初心者が
やりがちな典型的な失敗です。
起業は「希望的観測」ではなく、
「最悪の想定」で動くのが鉄則です。
だからこそ、まずは、
・できるだけ最少人数でスタートする
・基本給は地域相場に合わせた設定する
・儲かったら賞与で還元する
この3つを徹底してください。
「人が足りないかも…」と
不安になるかもしれませんが、
最初のうちから
固定費で100万は厳しすぎます。
また、基本給は一度上げると下げられません。
法律上も簡単には変更できず、
「働かない人にも給料を払い続ける」
地獄に陥いる可能性もあります。
もし業績が良くなって、
「みんなに還元したい」と思ったら、
賞与で渡せばいいんです。
一時的な支給なら柔軟に調整できますし、
会社のキャッシュも守れる。
今の時代、状況が一瞬で
変わることもあります。
物価高、増税、制度変更、
外部環境の変化で、昨日の前提が
今日には崩れることもある。
だからこそ、
経営者がまず守るべきは
会社(自分)のキャッシュです。
キャッシュがなくなれば、
どんな理想も、
どんな理念も、すべて終わります。
不安定な時代だからこそ、
「固定費最小化」という発想が、
あなたの事業を
守る最大の武器になります。
正社員3人を雇って
月100万円の固定費を背負うか、
業務委託施術者を交えながら
最低限の固定費で動くか。
どちらが“生き残るモデル”か、
明らかなはずです。
訪問鍼灸マッサージ事業に
派手さは必要ありません。
まずは小さく、強く、生き残る。
これが、訪問鍼灸マッサージ開業の
鉄則です。