こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
訪問鍼灸マッサージの個人開業をして
早い方なら開業して半年程度で
施術スケジュールが
パンパンになる方もいらっしゃいます。
先日、当協会の施術者の先生から
「お陰様で、開業して6か月で
予約がパンパンになりました!」
というご報告を頂きました。
予約パンパンの状況を聞いたところ、
患者数が30人で、週6日営業で
1日平均で10件の施術を
していると言います。
売上も100万に届くところまで
来たと言います。
「患者さん30人で売上100万」
これは、個人鍼灸マッサージ師が
訪問マッサージ・訪問鍼灸で
狙える上限に近い数字だと思います。
「患者さん30人、
売上100万で予約がパンパン」
ひとり治療院が達成した数字としては
素晴らしいものだと思います。
また僕も過去には、このような
予約パンパン状態が
一番いいと思っていました。
しかし、最近はそれが
「 正解 」ともいえない、
と感じることがあります。
「予約パンパン 」という響きは
確かに良い物ですし、僕も好きです。
しかし、長期にわたって
治療院経営をしていくなかで
「常時予約パンパン状態」には
隠れたリスクがあるのです。
訪問マッサージ・訪問鍼灸の場合、
地元のケアマネさんから
新規患者の紹介を頂くケースが
多いです。
ケアマネさんの抱えている
利用者さん(要介護者など)から、
「自宅でリハビリとかマッサージを
受けたいんだけど、
良い治療院
と要望を頂いて、ケアマネさんが
動くのですが、そこで、
予約パンパンの治療院に3回依頼しても、
「すみません!今予約が一杯で
受けられません!」
という対応をしてしまうと、
ケアマネさんの紹介先リストから
外れてしまうのです。
また、日本訪問マッサージ協会でも
「素晴らしい技術と誠実な人柄を
備えた治療家さん」と
「寝たきりや歩行困難で
お困りの高齢者の患者様」の
橋渡しをする支援サービスを
行っておりますが、
そこで、3回依頼しても、
「すみません!今予約が一杯で
受けられません!」
という治療院さんは、
なかなか次の依頼がしにくい
現状があります
短期間で患者さん30人を獲得して
売上100万まで持っていく先生は、
非常に人気があるので、
こちらとしても是非
お願いしたいのですが、
「あの先生にお願いしても、
予約が一杯で断られるから・・・」
と泣く泣く、
リストから外れてしまうのです。
でも、そんな予約パンパンの人気の
鍼灸マッサージ師でも、
常時、その状態を
維持できるわけではありません。
寒い時期になると、
患者さんがお亡くなりになったり
長期入院されたりが連続で続いて、
30人居た患者さんが
一気に減ってしまうケースもあります。
そんな時はやっかいです。
「あの治療院さんは人気があって
好きだけど、いつも予約がパンパンで
空きがないから、
電話しても無駄だろう・
という心理がケアマネさん働いて、
新規患者さんを
紹介してもらえなくなるのです。
このような事態を避けるためには、
予約パンパンになる前に
手を打つ必要があります。
具体的には、患者さんの数が
15名くらいになった時点で、
ひとり治療家を卒業する準備を
しなくてはなりません。
(※ひとり治療家の運営が
気楽でサイコーという人は除きます)
自分以外の施術者を雇う
(正社員、パート、業務委託)という
かじ取りをしていく必要があります。
患者数15名程度であれば、まだ
スケジュールに余裕があり、
採用した施術者への引継ぎや
技術指導(現場帯同)も可能です。
そうすると自分のスケジュールに
余裕が出来てきます。
このように、無理に
予約をパンパンにしないで
常時、数名程度の空き枠を取っている
治療院は
「あの治療院さんは、
まだ空きがあるみたいだし、
土曜日の時間帯でも
受けてくれるかもしれない 」
という心理がケアマネさんにも働き、
電話をかけたくなるというわけです。
その結果、いつも予約パンパン状態の
治療院さんは、空きの枠が出たとしても、
ケアマネさんのアンテナに
引っかからないままスルーされ、
常時数名程度の空き枠を
確保している治療院さんに
新規患者さんが流れてしまう可能性が
高いのです。
確かに、ひとり治療家で
予約パンパン状態は
理想的かもしれません。
ただ、これから長期的に治療院経営を
していくにあたっては、
上記のようなリスクがある、
ということも知っておいてください。