こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
さて、先日
「訪問鍼灸マッサージの事務関連を
奥さんにお願いしているが、
このままの状態でいいのか?
それとも他の手法がいいのか?」
というご質問を頂きました。
僕自身、独立開業時は
奥さんに簡単な作業をお願いしたり、
梱包作業などで
お手伝いしてもらっていました。
今は、奥さんや家族や身内は
うちの仕事については
一切ノータッチですが、
おそらく独立開業当時は、
家族や身内などに
手伝ってもらうという
ケースも多いと思います。
開業当初でお金が無いときは、
ヒトを雇うのも厳しいので、
奥さんであればタダで手伝って
くれるというメリットがあります。
しかし、この奥さんや家族に
自分の仕事をお願いする
という体制を
長いこと続けていくことは
お勧めしません。
なぜか?
理由は次の3つです。
1:そもそも、本当に
奥さんにスキルがあるのか?
訪問鍼灸マッサージの仕事の中で、
奥さんにお願いする業務は、
レセプトの処理、領収書の整理、
スケジュールの管理、入金管理といった
ところがメインになってくると思います。
いわゆる、事務や経理といった
分野なのですが、
奥さんに相応のスキルとして、
ワードやエクセルの基礎知識や
経理や財務の経験があれば良いのですが、
そもそも、そういった細かい作業が
大嫌いっていう奥さんも多いです。
であれば、今の時代はとても便利で、
格安で事務作業や経理代行などを
やってくれる
在宅ワーカーの主婦もいます。
かつては大手上場会社で
経理などをやっていたが、
出産を契機に退職し、
いまは育児があるので
フルタイムの勤務は難しいという主婦が
たくさんいらっしゃいます。
おそらく、あなたの奥さんよりも
スキルや経験が格段に上の主婦を
格安で雇う事が出来る環境があります。
奥さんにやってもらえば
タダだからという理由で、
スキル不足に目をつぶっても、
そのスキルの差が、
患者さんやケアマネさんへの
サービスの低下になってしまっては、
治療院経営にとっては
悪影響になりかねません。
2:奥さんと、
24時間一緒でも大丈夫か?
仕事も家庭も朝から晩まで
奥さんと24時間一緒の
状態に耐えられるか?
結婚当初は、
「ずーっと一緒に居られる^^」
なんて言ってもらえるかも
しれません。
ただ、半年も経過したら
だんだん冷静に物事が見えてきます。
そうすると、
何の仕事をするにしてもそうですが、
少なからず仕事に対する意見って
出てくるでしょう。
奥さんから、
・「往療ルートは、ああした方が
いいんじゃないか?」
・「施術時間はもっと短縮したほうが
経済的じゃないのか?」
・「保険治療にプラスして
自費治療を取り入れて
リスク分散すべき
なんて意見を言われると、
確かに正論で、
そりゃそうなんだけど
なんだかカチンと来てしまう事も
あるでしょう。
特に24時間一緒に居て、なんとなく
治療院のお金の流れが見えてきたら、
安定した収入を望む奥さんとしては
お金のことに関してチクチク
意見をいいたくなるんでしょうね^^;
そうするとどうなるかというと、
院長(ご主人)がブチ切れ。
「治療家でもないのに
口出しするなーーー!」
なんて言い出すんですよね。
仕事場で勃発した喧嘩、
そこで終わればいいのですが、
その日の仕事が終わって
家庭に持ち越すことになります。
そうなると、職場でも家庭でも
夫婦関係が悪化します。
そうなると24時間一緒にいるのが
ツラくなりますよね・・・。
3:リスク分散できない
訪問鍼灸マッサージの事業は
他のビジネスに比べると
格段に開業しやすいです。
もちろん最低3年間の養成校を卒業して、
国家資格取得が必要ですが、
それさえクリアできていれば、
柔道整復師の整骨院開業や、
介護業界のデイサービス開業に比べると
圧倒的に簡単です。
しかし、100%繁盛するかと言えば
そうではありません。
開業してから数年で廃業に
追い込まれる可能性も
ゼロではありません。
この仕事は、国家資格がある人じゃないと
売上を作る事が出来ませんので、
お手伝いした奥さんも
必然的に共倒れになります。
こんな事態になってしまったら、
一家の収入は
完全にゼロになってしまいます。
もし、奥さんが契約社員なり
アルバイトなりで
他の収入があれば、
なんとか食いつないでいくことも
出来るでしょ
夫婦共倒れにならないような
リスク分散の考え方も
必要になってくるでしょう。
ということで、開業当初は
一番コストがかからない
奥さんに手伝ってもらう事で、
わがままも言えたりするし、
多少無理がきいたいするので
メリットがあるでしょう。
ところが、そのしわ寄せは、
見えない「負債」として
必ず積み上がっていきます。
最初は、奥さんに
手伝ってもらうのもアリですが、
その期間は半年、
長くても1年間と決めておきましょう。
夫婦で助け合って、
治療院を大きくする、というのは
美しい話ですが、
どちらかというと
犠牲が大きいですね。