労災の取扱い

松葉杖
Q.

私の母が腰椎圧迫骨折しました。
通勤中のけがでしたので労災扱いです。

身内の鍼灸施術を保険請求できるのですか。
労災保険、健康保険を使って施術した場合、不正請求扱いされませんか?

A.

鍼灸マッサージの保険請求では『業務上・外、第三者行為の有無』について
「その他」を選んでいただいていると思います。

それ以外は、実質的に医療保険の対象外のケースとして
扱うことになるからです。

例えば、レセプトで「業務上」 にマルをすると、労災の対象になります。

業務上または通勤途中による労働者の負傷・疾病・障害または死亡に対して、
労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度です。

健康保険法の定めにより、健康保険証を使って病院で治療を受けられるのは、
業務外のけがや病気とされており、また通勤途上のけがで
労災保険の対象となる場合は、健康保険の対象とはなりません。


「労災保険指定医療機関では、「療養保障給付」が
現物給付(診察・治療などの医療サービスが直接受けられる)されるが、
非指定医療機関では現物給付(医療機関の窓口で、患者が医療費を現金で支払後に
その費用の還付を受ける)になる。」

申請書についての詳細は、こちらが参考になると思います。

■療養費の支給基準 平成30年度版(平成30年7月発刊)
特材品目・算定データベース

例えば、業務中に起きた交通事故の治療(労災)、
交通事故による後遺症(健康保険)
といった形で、1つの傷病名に対して2つの保険で
対応しているとなると問題ありとなる可能性があります。

ただ、業務中に起きた事故の治療(労災)と
慢性的な疾患(健康保険)とで
明確な分別が出来るのであれば
問題ないと思います。

また、「労災」の取り扱いには、地元の鍼灸師会などを
通さなければならない場合もあります。
(現時点で個人請求を認められていないようです)。

このあたり、今後しっかり請求していくにあたって
一度、保険者さんに確認を取った方が安心だと思います。