こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
鍼灸マッサージ師の
資格を持っていて、
それを使って、
訪問マッサージ・訪問鍼灸という
仕事があるということを知った。
取り敢えずやってみよう!と思って
身近な親戚やご近所さんで
歩くのが大変な方の
訪問施術をやってみた。
同意書も取得出来て、
3か月後には銀行口座に入金
されていることも確認できた。
じゃあ、どこかの
整骨院や整形外科に
勤めながらも、もうちょっと患者さんを
増やして行こうかなと思って頑張ってたら、
気が付いたら売上が
30万になっていた。
しかも、その30万円から
引かれる経費が
ほとんど無いので、そのまま残り、
勤務先の給料と同等、
もしくは上回るようになってきた。
だったら、フルタイムで頑張れば、
もっと売上も
利益が出るんじゃないか??
自分も年収1000万を
目指せるのではないか?
ということで、
勤務先を辞めて、
個人事業主としてやってみる!
すると、想定通り、
1年後には、
売上100万円(利益90万)になった。
そうなると
どうなるかというと、
「お、これ、会社組織にして頑張れば、
もっといくのでは?」
と考えるわけですね。
そこで、個人事業主から
会社に法人成りして、
日本政策金融公庫や信用金庫から
融資を受けて資金調達して、
小さなオフィスを借りて、
従業員を雇い、
売上と利益の拡大を狙うわけです。
すると・・・
・院長の担当患者を
スタッフに任せたとたん離脱した…
・スタッフに無料体験を任せたら、
全然成約しない…
・あれ?想定していたより
新規患者さんが増えない…
今まで、1人で
売上100万だったのが、
微増して120万位になったけれど、
オフィスの家賃と人件費を払うと、
手残りは、
ガクンと減ってしまう。
「あれれ、最終的な利益は
一人でやってたときのほうがいいな」
となるわけですね。
「いや、まだ雇ったばかりで、
人材が育ってないから
収益性が低いんだろうな」
ということで、
ちょっと我慢して待ってみます。
半年後・・・
施術者のレベルも向上してきて、
離脱患者も減ってきたし、
無料体験からの成約率も高くなった、
地元のケアマネさんにも、
院長以外でも
お願いしても良いという声が
増えてきて新規患者さんの
紹介も頂けるようになって、
収益性がやや上がります。
そうなってくると、
「お、ようやく一人で
やってた頃くらいの
利益水準になったな」
「よし、もうひとり雇おう!」
ということで、もう一人雇い、
さらに勢いに乗って、
もう一人雇っていくと、
オフィスを大きくして移転をする。
1年後・・・
「お、月商200万円超えた!」
と、嬉しくなったのは束の間、
1番最初に雇った
施術スタッフから
「院長、今月末で退職して
独立しようと思います!」
とまさかの、
退職宣言を受ける。
営業、施術、事務処理を全て教えて
院内の全体を運営を任せていた
信頼していたスタッフの独立開業。
患者さんの中には、
「あの先生が辞めちゃうのなら、
私の施術も今月末で終了してください」
と、治療打ち切りする方も増えて、
結果として、担当患者の半分以上は
治療ストップ、もしくは退職した
スタッフに持っていかれてしまった。。。
でも、こういうこともあるさと思い、
新たな気持ちで採用活動を頑張るものの、
今までは、自分の知人や友人関係から
スカウトして集まったスタッフだったが、
一般の求人媒体で
募集しようと思っても
全然、反応がない・・・。
仕方ないから、人材紹介会社に依頼して、
初任給を30万に設定してみたら
なんとか、1人の採用が決まった。
紹介料60万円は痛い支出だったが、
このスタッフが育ってくれれば、
いずれ回収できるだろう・・・。
7か月後・・・。
人材紹介会社を通じて雇ったスタッフが
まさかの退職宣言・・・。
もっと、待遇が良い
訪問マッサージ会社が
見つかったので、
アッサリと転職してしまった。
6か月以上経過しているので、
人材紹介会社の
返金保証の対象外だ・・。
あれ?あれあれ??
ちょっと人員が足りないので、
院長の自分も
現場に戻らなくちゃならない。
さらに、訪問治療の場合は、
スタッフの管理が難しいので、
人が増えたら
いろんな問題が出てきます。
誰かが辞めると言って業務に
支障がでたりするのは日常茶飯事です。
スタッフの誰かと誰かが
仲悪くていざこざがあったり、
事務スタッフと施術スタッフで対立したり…。
営業スタッフが
施術者を引っ張って、
同じ商圏で、新たに
訪問マッサージ会社を始めたり、
また、人件費や家賃やバイクのリース料など
固定費が上がることで
一人でやってたときとは、
比べ物にならない重圧が出たり・・・
胃はキリキリするし、
夜中にハッと目覚めるし、
休日もずっと
仕事のことばかりで頭いっぱいで、
子供と公園で遊んでいても上の空です。
ということで、
このあたりで多くの院長が
「もうだめだ、やーめた。
やっぱり、訪問マッサージは
一人でやるのが一番良い」
となって、
会社を解散しちゃうわけですね。
統計的に言うと、
1年以内に40%くらいの
会社が業務停止していて、
5年で80%、10年で
90%くらいが停止しているそうです。
「いや、自分はそうならない。
大丈夫」
という思いもあるでしょうが、
統計的に言うと普通にやったら、
そうなる(90%に入る)わけでして、
自分だから大丈夫ということは
決してありません。
では、どうすればいいのか?
・・・というと、
やっぱり勉強して、会社組織として
収益が上がる方向性に
持っていく必要があるわけです。
正直言いますと、
個人事業主として
適正化されたビジネスを
そのまま会社組織として
スケールアップさせると、
上記のような事態になってしまいます。
ここで、かなり苦しむのです。
で、一番重要なことは
「院長(経営者)が仕事をしない」
ということです。
この「仕事」というのは、
働かないというわけではありません。
ここも正直言いますと、
僕自身は、会社の従業員さんの
誰よりも
働いている自信があります。
働いている時間もそうですし、
働いている質もそうですが、
絶対にダントツNo1です!
他の追随を許さないレベルです。
・・・と言うくらいの
自負でやってます。
ということで、
「仕事をしない」
というのは本当に
働かないということではなく、
一般的な、いわゆる
仕事をしないということです。
例えば、レセプト処理をする
レセコンソフトがありますが、
ぼくは、操作できません・・。
僕自身は、多額の開発費を払って
開発初期の打ち合わせには
参加しましたが、
その後の細かい仕様の変更には、
ほぼ、関わっていません。
ソフトの操作方法については、
入社2か月目の新人スタッフさんのほうが
遥かに詳しいです。
訪問マッサージ院の場合、
主な業務は、
営業、施術、事務になりますが、
それら全てを
担当スタッフにやってもらっています。
そうすることで、
組織運営の
一番のボトルネックである
「経営者のやる気」
とか
「経営者のリソース不足」
を回避できます。
そうです。
個人事業主から
会社組織に転換して、
収益が伸びない一番の理由は
あなた(経営者)
なのです。
決して、従業員が
悪いわけでもないし、
ビジネスモデルが
悪いわけでもないのです。
要は、個人事業と
会社経営は違うということですね。
そこに気づいて脱却しないと、
永遠に続く、負の無限ループに
ハマってしまいます。
組織展開していくなら、
そこに早く気付くことが大事ですね^^