治療家修行の下積み不要論!

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

鍼灸マッサージの業界では、

「10年修業しないと
 1人前にはなれないよ」

「1万人の臨床経験は必要だよ」

修行だと思って、
 この職場で10年間働きなさい」

という風潮があります。

しかし、本当に
10年にも及ぶ長期間の
修業は必要なのでしょうか?

というのも先日、
「寿司修行3カ月で
 ミシュランに載った理由」
(宇都裕昭 著)
という書籍を読みました。

その中には、
飲食業界の常識がいとも簡単に
覆されてしまう実例と
その裏にある戦略が
色々と書かれていました。

その中の1つの事例として、
たった3か月だけ
修業した寿司職人だけで始めた
大阪の小さなお寿司屋さんが
オープン11か月後に
”ミシュランガイド”に
掲載される快挙を成し遂げました。

寿司職人の世界は、
治療院の世界よりも厳しく、
銀座などの高級寿司店で
10年間修業して、
毎朝5時に起きて、
掃除や洗濯の下積みをして、
師匠や先輩の包丁の使い方、
シャリの握り方などを
見ながら盗んで成長していく
という世界です。

しかし、修行先のお店が
どれだけ有名で繁盛していても
その1店舗だけの
常識しか見れないというのは、
デメリットの1つでしょう。

閉鎖的な店舗で、
古い時代の価値観を持った師匠に
ついて下積み生活を
送っている寿司職人よりも
合理的で新しいものを
柔軟に取り入れていき、
職人の勉強だけではなく、
店舗をオープンすることを前提に
経営的な勉強を積極的に行う職人では、
独立開業した時には、
後者の方が
成功確率が高いはずです。

もちろん、
3ヶ月修行しただけで
完璧な寿司職人になることは
ないでしょう。

かといって、10年修業したら
完璧になれるかと言えば
そんなこともありません。

そもそも、”料理道”を
極めようと思えば、
一生修行なわけですから、
下積み修行の期間
と言うのはそこまで
重要視されることではありません。

お寿司屋さんに来て
お金を払うのは
一般のお客さんとしては、
ある一定レベルを超えていれば、
3か月修業した職人と、
10年間修業した職人の
味の違いを
判別することは難しいでしょう。

治療院の業界も同様に、
問診、施術、説明などの
一連の流れがある
一定レベルを超えていれば、
3か月修業した鍼灸マッサージ師も
10年間修業した鍼灸マッサージ師も
施術の違いを判断できる
患者さんは少ないでしょう。

治療院で10年間の
 下積み修業が当たり前」

という常識は、
今の時代ではなかなか
通用しなくなってきています。

常識というのは、
時代や世代によって変わるものです。
時代の流れの中で
臨機応変に変わっていくものです。

いつの時代も、常識を覆すのは
素人の発想です。

訪問マッサージ・訪問鍼灸の
業界にも、従来の
治療院業界の常識に固まっていない
素人さんが入ってきて、
素人の発想で、
新しい価値を生み出すような
流れが出来れば良いですね。