訪問マッサージ院の法人化賛否論

こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

僕が、訪問マッサージ
個人事業としてスタートしたのが
2005年9月、
その事業を
法人させたのが
2009年7月でした。

ここ最近は、
日本訪問マッサージ協会の
会員さんの中にも
個人事業主からスタートして、
訪問マッサージ訪問鍼灸事業を
法人される方が増えて来ました。

個人事業として始めた治療家さんが、
個人では抱えきれない程の
患者さんからの
依頼を頂くようになり、
仲間を増やして
地域医療に貢献していく組織を
構築していくことは、
とても素晴らしいことだと思います。

訪問マッサージ訪問鍼灸を
これから開始しようとしている方から、
「個人事業で始めるか?
 法人で始めるか?」
といったお問い合わせを
頂くことがあります。

自分が鍼灸マッサージ師の
資格をお持ちで、
これから始めるような
場合は、法人などということは
一切考えずに最初は保健所に
出張開業の届けだけ出して、
個人事業主として
即刻始めればいいと思います。

ただ、あなたが
訪問マッサージ訪問鍼灸事業で、
永続的に収益を
上げていきたい!と
思っているのであれば
将来的には法人
見据えていくことが望ましいです。

そのために、どのような点を
事前に知っておけば、
よりスムーズに
会社設立ができるのかについて、
個人事業(2005年9月)から
法人(2009年7月)を
済ませた僕から
最低限、
知っておいたほうがいいと思う
事項を3つほど
アドバイスいたします。

1:会社設立費用を
  知っておこう!

法人設立となると、
株式会社か合同会社の
どちらかになると思います。

設立する際には

株式会社の場合、20万円程度
合同会社の場合、6万円程度

の費用が最低限かかります。
この事を
事前に知っておきましょう。

この他にかかる費用としては、

会社設立代行費
(行政書士など):5万位
法人印鑑:約1万-2万円
税理士費用:月額1万-5万位
決算料

ざっと、この程度の費用は
最低限かかると思っておきましょう。

2:税金について知っておこう!

税金は会社の利益に対して
かかってきます。
一番問題となるのは、
売掛金があまりにも
多くなっている場合です
(売上としては出ているけれど、
 返戻などがあり、
 保険者からの現金振り込みが
 大幅に遅れてしまう場合など)

現金が回収できていないのに、
利益が莫大に出ている場合、
納税は現金が
手元になかったとしても
待ってはくれません。

ですから、納税分として
しっかりと払えるだけの
金額を常に残しておくことが
重要になります。

お金を稼いだからといって、
ブランド品だったり、
高級車・高級時計を購入したり、
海外旅行で遊びすぎると
後ほど危険なことになります。

会社倒産となるケースで
意外と多いのが、
「税金が支払えなくて・・・」
というケースなので、
資金繰りはしっかりと
管理しておく必要があります。

僕は、毎月売上の一定額を
税金用貯金として別口座に
資金移動して管理しています。

「儲かった~~~!」って
有頂天気分でいると、
忘れた頃に
本当に、吐き気がするような
納税額を
請求されますからね・・・(汗)

3:法人のメリットとデメリット

・メリット1 信用が出てくる

個人事業で行うよりも
対外的な信用がちがってきます。
広告や求人をする時にも
効果が違ってきます。
銀行などに借り入れの
申し込みをする時も
有利になることもあります。

また、採用や求人の際にも
断然有利になってきます。

・メリット2 事業が継続する

個人事業では、
事業は事業主に依存します。
つまり、事業主が死亡すれば、
事業は終了してしまいます。
しかし法人にしておけば、
解散しない限り、
事業は継続するので、
継続的な成長が可能です。

メリット3 税務上で有利な設定も可能

個人と法人は税率の構造が違うので、
収入によっては、
税務上で有利な設定が可能です。 

法人税の税率は一定なので、
個人事業の様に大きく稼げば
税金も増えることはないのが
メリットです。

また、「給与」で
収入をうけとることにより、
事業主でありながら、
サラリーマンと
同じような経費控除が受けられますし、
家族を従業員とすることにより、
報酬を分散することが容易です。

また、社長が受け取る
役員報酬(給料)を下げて
協会けんぽに加入することで、
バカ高い国民健康保険料からも
サヨナラすることも出来ます。

あとは、旅費規程が
導入出来たり、
住宅規程を導入出来たりすることが
大きいです。

特に旅費規程が導入できる
インパクトは
とてつもなく大きいです。

・デメリット1 
会社をつくるためには、
費用と手間がかかる

株式会社をつくるには、
最低でも20万程度の費用が必要です。
資本金は1円でも
OKということになっていますが、
実際の所は、ある程度の
資本金も必要になってきます。

・デメリット2 
経理帳簿をつけるのが面倒

領収書は個人使用のものと
法人使用のものをきっちりと分け、
帳簿と領収書はちゃんと整理して、
7年間保存しておかなければ
いけません。

・デメリット3
稼ぎがなくても、
税金を納付する必要が有る

均等割といって、稼ぎがなかったり、
赤字であっても
都道府県と市町村に
税金を最低7万円は
納付しなければいけません

以上、簡単に法人するにあたって
知っておいて
貰いたいことを書きました。

訪問マッサージ訪問鍼灸は、
個人事業で
やっていく場合は、
あまりにも利益率が高すぎて、
そのままでは税金で
かなり持っていかれてしまうので、
稼げるようになったら、
家賃、人件費、設備費などの
固定費に投資していくことが
重要になってきます。

個人の治療家が自己投資、
マーケティング投資を終えて、
安定的に
稼げるようになってきたら、
固定費への投資を
心がけていくのは、
重要になるかと思います。