訪問マッサージの危機(リスク)

こんにちは!
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

フェイスブックなどを
見ていると、来週あたりに
専門学校の卒業式が
全国各地で行われそうですね^^

学生さんの中には、
4月になったらすぐに
訪問マッサージ・鍼灸で
独立開業を目指す人もいるでしょう。

実際に、4月のタイミングで
訪問マッサージ・鍼灸で
独立開業する人が非常に多いです。

ただ、4月から開業するにしても
訪問マッサージ
何をどうすればいいのか
分からない方もいると思います。

今日はそんなメルマガ読者さんから
こんな質問を頂きましたので
シェアします。

—–OriginalMessage—–

藤井先生

いつもメルマガ楽しく拝見しております。

現在、専門学校の3年生ですが、
先日、無事に
卒業できることが出来ました。

4月以降に、どうするかは
まだ決まっていないのですが
訪問マッサージの分野にも
興味があります。

ただ、学生時代には
訪問マッサージの分野については
一切触れてこなかったので
正直、よくわかりません。

具体的には、訪問マッサージ
どんなビジネスなのでしょうか?

また、訪問マッサージを始めるにあたって
リスクはないのでしょうか?

——EndofMessage——

訪問マッサージ・鍼灸は
どのようなビジネスモデルか?
また、リスクはありますか?
という2つの質問です。

超基本的な質問なので、
僕のメルマガやSNSの読者さんは、
この辺の所はよくわかっている人が
多いかと思いますが、
復習の意味も込めて
解説していきます。

まず訪問マッサージ訪問鍼灸とは
どんなビジネスなのか?ですが、
寝たきりや車いすなどの
患者さんに対して
健康保険適用の
マッサージ・鍼灸治療をして
患者さんから自己負担分1割を頂き、
3か月後に保険者から残りの9割を
入金してもらって
収益を上げるという
ビジネスモデルです。

個人の鍼灸マッサージ師が、
この訪問マッサージ・鍼灸をやって
どのくらい収益が上がるのか?ですが、
具体的な数値を上げるとすると、

患者数 :25人
施術単価:3500円
訪問頻度:週2回(月8回)
継続月数:18か月
1人のマッサージ師の
月間売上:70万円(3500円×8回×25人)
患者さん1人の
生涯顧客価値:50万円(3500円×8回×18か月)

になります。

また、他のマッサージ院、
接骨院などのように店舗を
構える必要などなく、
保健所に出張届を提出すれば
その日から始めることが出来ます。

もちろん、店舗がないので、
家賃や水道光熱費なども
掛からないですし、
移動は自転車で十分ですし、
使う用具は手ぬぐいと
タオルがあれば出来ます。

つまり、経費が
ほとんどかからないということが
他のビジネスとは違う点です。

25人の患者さんの
獲得については、
主に居宅介護支援事業所の
ケアマネさんに
アプローチすることになります。
これは、名刺と
パンフレットがあれば出来ますし、
伝える内容としては、

・何屋であるか?
 (どんなサービスをしているか?)
・患者さんの声
・自分の想い

などをステップを
踏んで伝えていきます。

しっかりとしたノウハウを学んで
的確なツールを作れば、
誰でも簡単に取り組むことが
できます。

ただ、今日やって明日になれば
結果(患者さんの紹介)が
出ることはないので
3~6か月程度は
継続する必要があります。

最初のゼロからイチは、
やや大変ですが、
一度、ケアマネさんとの
信頼関係が出来れば、
1→10、そして
25人の患者さんになるのは
難しいことではありません。

頑張るのは最初の
3~6か月程度だけで、
そこさえ乗り越えることが出来れば、
ずーーっと
月商70万程度の売り上げを
継続することが
出来るのが大きな特徴です。

そして、
訪問マッサージ・鍼灸のリスクですが、
これは事業なので
いくつか考えられます。

1つ目は「保険治療」
であるということです。

訪問マッサージ・鍼灸は
「保険治療」で、
1回の施術が
300円~500円程度ということが
最大のメリットでありますが、
これが
リスクになるということです。

柔道整復の保険請求が
厳しくなってきたように、
訪問マッサージ・鍼灸の締め付けも
今後は厳しくなってくる
可能性も考えられます。

ただ、すぐに保険が
厳しくなることは無いと思います。
現在、柔道整復(骨折、ねん挫)の
市場が4000億円、
鍼灸マッサージ(脳梗塞後遺症など)の
市場が900億円です。

超高速高齢化時代と言われる中で、
いきなり骨折、ねん挫の
患者さんが増えることはないですが、
脳梗塞後遺症などの
患者さんの数は増えていきますので、
鍼灸マッサージの市場については、
柔道整復の
市場の4000億程度までは
行くのではないかと考えています。

また、国の方針として
「病院から在宅へ」の流れがあり、
在宅でのケアをする
訪問マッサージ・鍼灸の分野は
しばらくは、伸びていくと思います。

2つ目は「求人」です。

需要があって、ライバルが少ないので
他のビジネスに比べたら
個人の鍼灸マッサージ師が
年商1000万に到達するのは
すごく簡単です。

ただ、個人の鍼灸マッサージ師で
訪問マッサージ・鍼灸をやる場合は
上限が年商1000万程度で
頭打ちになります。

また、もし
自分が倒れたら売り上げが
ゼロになるリスクも十分あります。

そこで、そのリスクを回避しつつ、
更に売り上げを上げていくには
スタッフさんなどを
雇用する必要がありますが、
ここが難しい部分です。

患者さんを獲得するより
100倍難しいかもしれません。

そもそも、マッサージ師の
数は多くないですし、
仮に雇用したとしても、
現場での施術方法と
簡単な営業のコツを覚えた段階で
スタッフが患者を引き連れて
独立開業するというケースも
あり得ます。

その辺りのリスクも踏まえて
組織展開していく必要があります。

そういったスタッフとの関係性が
面倒だと思う先生は、
一人で責任が見れる範囲の
20人の患者さんを相手に
日々の施術をして毎月60万程度の
売り上げを継続するという
道を選んだほうがいいです。

「ひとり先生で、毎月60万円」

このあたりが、治療家としては
幸せを一番感じられるラインでは
ないかなと思います。