訪問治療院でのキャリアパス制度

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

“キャリアパス”って聞いて、
どんなものか明確に
イメージできますでしょうか?

大企業などにお勤め経験がある方や、
大手治療院会社に
勤務中の方であれば、
どんなものかイメージ付くと思います。

キャリアパスとは何かというと、
治療院で働くスタッフが、院内で
どのようなキャリアを積み、
それぞれが目指す目標や
ポストまで
たどり着く道筋のことです。

新人スタッフであれば、
目標に向けて、
何をどのように
強化すれば良いかを
明確にすることができ、
中途採用スタッフであれば、
強みや経験を生かして
院への貢献度を高めることや、
自身のやりがいにも
つながっていきます。

一般企業の中には、
このキャリアパス制度を
導入しているところも
増えてきていますが、
治療院業界、ましては
訪問鍼灸マッサージ業界においては、
導入しているところは
ほぼ皆無でしょう。

そんな状態ではありますが、
以前に当協会にて
キャリアパス制度に関しての
セミナーを開催することがありました。

講師を務める、
先生の訪問治療院では、
訪問鍼灸マッサージ業界に
カスタマイズされた
キャリアパス制度があります。

この中で、面白いのが
施術者に対しての
キャリアパス制度です。

訪問治療院を経営する院長や
オーナーさんにとって、
もっとも心配する部分は、
施術者が患者さんや
既存スタッフを引き連れて、
近隣エリアで
独立開業することです。

この部分を
防ぐような仕組みが無いと、
なかなか組織展開していくことが
難しいです。

優秀な施術者であればあるほど、
勤務している治療院に対して
明るい未来が描けなくなると
辞めていってしまいます…。

それで、講師の先生の訪問治療院の
施術者が
どんなキャリアパス制度に
なっているのか?

ザックリ説明すると、施術者には、

・新人

・中堅

・ベテラン

・リーダー

・マネージャー

のような5つの役職が
設置されています。

それぞれの役職で
求められる職務が異なりますが
このような役職があることで、
院内で自分がどんな役割を
果たしていけるのかを
具体的に
イメージすることができます。

ただ、どんなに役職を
ステップアップしていっても
施術者の中には、
ある不安が消えません。

それは、

「いつまで、現場で施術を
 し続けなくては
 ならないのだろうか・・・」

というものです。

今年の夏のような地獄的な
暑さの中での
往診業務をずーっと
やらなくてはならないのかと思うと、
ゾーーっとなってしまうことも
あるでしょう。

20代や30代前半で
体力がある内は良いのですが、
ある程度の年齢になってきて、
結婚もして、子供も
出来てという立場になってくると、
ずーっと、現場で施術し続けることに
不安を感じることが多くなってきます。

その不安を解消する仕組みが、
施術者として、「マネージャー職」まで
昇給した人に対しては、
その地域での営業権が
与えられるというものです。

そして、その営業の部分については
施術者と新たに別の契約を結び、
自分で営業して
獲得した患者さんについては、
他の施術者に対応してもらっても、
売上に対しての手当が永続的に
入ってくるような仕組みが
用意されてます。

このような仕組みがあると、
施術者としては、
自分の大好きな現場の施術を
自分のペースでしながらも、
不労所得的な収入も加算されるので、
自分で独立開業するのがアホと
思うようになります。

治療院経営を安定させる上で
欠かせないのが、
一定水準をクリアする
施術者の雇用とその定着です。

安定して人材確保をする際に
キャリアパスを提示することは、
施術者の個々の能力と
意欲を最大限に引き上げるためにも、
用意しておいた方が
絶対に良いですね^^