患者さんの引き抜き問題の対応策

こんにちは！
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

今まで、
訪問マッサージ会社などに
勤務していた方が、
独立する際に
必ず直面する問題が
「患者さんの引き抜き問題」です。

勤務先での仕事内容や給料や
人間関係に一切問題が無ければ
独立などという話には
ならないと思いますが、
何かしらの問題が起きたり、
自分の夢を達成したいと強く
思った時には、
鍼灸マッサージ師として
独立開業を選択することになります。

独立する際に、
よくあるパターンは
勤務先での現在の
自分のスケジュールは、
週6回で毎日10人程度の
施術をしている。

単純に売り上げを計算すると
軽く80万を超えるのに、
自分が貰えるのは
25万の固定給…。

毎日現場で触れ合っている、
患者さんも
「マッサージは先生じゃなきゃダメなの！」
と言ってくれる方が複数人いる。

そんな状況になった時に、

「ここから独立して自分でやろう。
　自分を支持している患者さんもいるし、
　頑張った分だけ自分の収入アップになる」

と思う鍼灸マッサージ師が
多いようです。

独立を考えている鍼灸マッサージ師は、
このままファン患者を
引き抜いて開業したい。
そうすることで、独立初月から
安定収入が確約される可能性が高い。

一方、勤務先のオーナー
（院長）としては、
有能な鍼灸マッサージ師が
退職するだけではなく、
多くの患者さんまで
引き抜かれてしまったら
売り上げ激減で
大打撃を食らってしまうので
たまったもんじゃないと思う。

ここで、お互い相反する思惑で
対立するわけです。

実際のところ、
独立した後もどうしても、
先生に施術してほしいという
患者さんもいらっしゃいます。

患者さんも会社
（治療院）につくわけではなく
現場で施術している先生につくので
このようなケースが発生するのは
どうしても
避けられない部分があります。

開業後この患者さんを
引き続き訪問するには、
どうすることが
一番良いのでしょうか？

まずは、
会社（治療院）と先生の
契約を確認する必要があります。

就業規則の中に、患者の
引継ぎについての記載があるのか？
また、競業避止義務の
誓約書などがあれば
その内容がどのようなことが
記載されているかを確認します。

会社によっては、
「退職時の患者の引き抜きを禁じる」
「退職後に同じ商売をしてはならない」
などの契約が入っている
場合があります。

ただ、仮にそのような
契約になっていたとしても、
職業選択の自由がありますので、
ずーーっとその誓約書や規則で
縛り続けるのは
難しいのが現状のようです。

また、先生を選ぶ権利が
あるのは患者さんなので
患者さんが
「この先生にやってもらいたい」
といえば、手続きを踏んで
連れてくることも可能です。

勤務先とのとのトラブルを
避ける手順としては、

・先生
　「来月末で退職して、
　個人で開業しようと思っています」

・患者
「えっ！？私はずっと
　先生に施術してもらいたの。
　独立しても私を見捨てないで
　来てくれるわよね？」

・先生
「ありがとうございます。
　私も継続して治療したい
　気持ちはあります。
　ただ、会社との契約や引継ぎの
　問題などもありますので、
　その辺りを確認させていただいてから
　ご返答しますね」

（※会社の契約で
問題なしと分かった）

・先生
　「もしよろしければ、
　患者さんの方から
　今月末でいったん治療を
　休止すると会社(事務所)にお伝えください。
　今月は保険治療は
　一時休止にさせていただきますが
　来月から新規患者として
　対応させて頂きます」

といった形で、
1か月間の休息期間を置いて
先生の治療院の新規患者として
受け入れるのがいいと思います。

逆に、会社(治療院）側としては、
どうしても、
「退職者によ患者の
　引き抜きの防止」は
就業規則や誓約書などの
書類だけでは
制御できないので、

例えば、

・患者さんの担当者を
　一人ではなく、複数担当制にする。

・患者と先生という個人間の
　関係にならないように、
　患者と会社（治療院）として
　付き合う仕組みを作る。

・担当者が退職する際は、
　すぐに新しい担当施術者を
　決めて、挨拶にいかせる。

などの対策が
必要になってきます。

ただ、個人的には
鍼灸マッサージ師の
独立開業を
阻止するような体制ではなく、
鍼灸マッサージ師の独立開業を
喜んで送り出せるような
会社経営が出来るのが理想的だと
思います。