こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
9月に入って、
猛烈な暑さは影をひそめた感は
ありますが、今年は残暑が
10月くらいまで続くとの
予報もありますので、
往診するには注意が必要ですね。
ところで、今日は
事務処理的な話になりますが、
あなたは、訪問鍼灸マッサージをやっていく
上で、ケアマネさんやドクターなどに
患者様の経過報告書を提出していますか?
もちろん人によっては書面ではなく、
電話や対面して口頭のみの報告を
されてらっしゃる方もいるでしょう。
方法はどうあれ、報告は大事ですよね。
最近、この報告(書)について訊かれる
ことが多くあります。
そこで今回は、
訪問鍼灸マッサージ師の
実務的な部分である、
報告書(特に
ケアマネさんに対して)について
シェアさせていただきたいと思います。
報告書は、3つのポイント
に分けて考える必要があります。
1:報告書の提出方法。
2:報告書の提出回数。
3:報告書に書く内容。
まず、一つ目の
1:報告書の提出方法。
これは、2つに分けられそうです。
A.直接対面して手渡しする。
B.FAXや郵送等で送る。
A.直接対面して手渡しする。
ケアマネさんには、
出来れば直接お会いして
報告書を手渡ししたいですね。
これはリアル営業の延長線上にある
大事なことだと私は考えています。
ケアマネさんは、
私たち鍼灸マッサージ師を
大事な利用者様に紹介するのですから
「紹介して失敗した」
という結果だけは避けたいはずです。
「顔を出せる」ということは
「きちんとやっています」
という意思表示にもなる、と
私は考えています。
安心感にも繋がるでしょう。
ケアマネさんと顔を合わせて
天気の話をするだけでも
お互いの距離は縮まります。
また、直接お会いすることで
「実は前から話そうと
思ってたんですけど」
とか
「こんなことを訊いてもいいですか」
という風な
「ちょっとしたこと」を相談
してもらえる
貴重な機会が得られます。
「こんな利用者さんが
いるんですけど訪問可能ですか?」
なんていう話も当然出てきます。
それがどんな結果に結び付くかは、
これ以上書かなくても、
おわかりだと思います。
患者様にも「先日
ケアマネージャーの佐藤さんに
お会いして・・・」
という話をすると、安心するようで
とても喜んでもらえますよね。
B.FAXや郵送等で送る。
FAXで報告書を送るのは、
時間と手間が
最も少なくて済む方法ですね。
また、コロナ禍においては
対面での接触を控えて欲しいという方も
一定割合いらっしゃいます。
ケアマネさんのいる事業所が
遠くて、どうしても手渡しが
難しい場合には
FAXや郵送でも良いかもしれません。
その代わり、上に書いたような
細かいやり取りまでは出来ないことが
最大のデメリットです。
「ちょっと訊いてみたい・・」
という気持ちがケアマネさん側にあっても、
それをわざわざFAXで送ってきたり、
お手紙で返信をくれたりする方は
いないでしょう。
もちろん報告がないよりはましですが、
どうしても形式的に
ならざるを得ない印象です。
2:報告書の提出回数。
あなたは、報告書はどのくらいのペースで
提出していますか?
・月に1回。
・3カ月に1回。
・6カ月に1回。
くらいが、
比較的多いパターンだと思います。
営業で実績を出している治療院さんは
最低月に一回はケアマネさんとの接触を
するようにしているところが多いです。
ただ、あまり頻繁でもうるさいでしょうし、
かといってあまりに長い間接触が
なければ、疎遠になってしまうのは
当たりまえですよね。
施術内容を見直す意味でも、
1カ月に1回程度が
良いかな、と感じています。
このあたりは
ご自分の感覚で決められると
良いでしょう。
言うまでもないですが、転倒や目立った
環境の変化などは、逐一電話で連絡すべき
ですよね。
きめ細かい対応で、
きっと信頼感が深まるはずです。
3:報告書に書く内容。
報告書には、どんな内容を
書かれているでしょうか?
当院では基本的には、
月に一回のペースでケアマネさんと
ドクターに報告書を提出していますが、
書いている内容は、
・具体的な施術・リハビリの内容と
所要時間。
・患者様の主な訴え。
・施術に対する患者様の反応。
・患者様のその月の体調を
含めた様子、変化。
・今後の見通し、気になっていること、
治療方針。
というところです。
特に気をつけているのは
「易しい言葉を使う」
ことです。
難しい言葉で書くと、
書いた方には充実感がありますが、
読まされる方には負担でしか
ありません。
ケアマネさんは医療の
専門家ではありませんので
例えば、「拘縮」という言葉は、
ぼくたちは日常的に使っていますが、
ケアマネさんの中には
「?」という方もいらっしゃいます。
また、同じく訪問鍼灸マッサージをしている
先生たちから訊かれる質問で多いのが
「患者さんの変化があまりないのですが、
毎回同じ内容を書いて
提出しています」
というものです。
確かに、何かが
劇的に変化することは稀です。
・環境のちょっとした変化。
・転倒があった。
・患者様が最近良く話題にすること。
などが少々変わるくらいで、
施術内容は、殆ど
前月と同じになる事が多いです。
「毎月同じような報告書でも大丈夫?」
というご不安も
あるかもしれません。
ご意見はいろいろあるとは思いますが、
施術者として最善を尽くして施術にあたって
見通しを立てている限りにおいては、何も
無理に飾り立てる必要はないと思います。
事実をそのまま報告するだけです。
さて、ここまで報告書について見てきた
ところで、「報告書はなぜ必要か?」という
ことを改めて考えてみたいと思います。
報告書の目的は、
・施術の内容を記録に残すため。
・施術の目的を
ケアマネさん等に示すため。
あたりでしょうか。
しかし、それよりも
もっと大切な目的がある、と
考えています。
それは「きちんとみてますよ」という
ぼくたちの「意思を伝えること」です。
ぼくたちが一生懸命作成して、
提出している報告書ですが、
恐らく、「恐らく」ですが、
ケアマネさんやドクターは、
実際にはあまり
読まれていないと思います。(泣)
もちろん、丁寧に
読まれてる方もいらっしゃるでしょうし、
読まれる報告書にするような
努力を怠ってはならないとも思います。
しかし、日々様々な業務に
忙しいケアマネさんが、
丁寧に報告書を読まれるとは
あまり考えられません。
そこで「じゃあ、
報告書は適当でいいや」とは
決して思わないで欲しいです。
やはり、施術者として担当している
患者さんの状況をしっかりとした
報告書は作るべきです。
忘れてはいけないのは、
報告書を提出するという
行為を通して(特にケアマネさんと)
「人として良いお付き合い続けて行く」
ということではないでしょうか。
定期的に報告書を提出する機会を、単に
報告書を渡すだけの場にするのではなく、
「きちんとみてますよ」
「ちゃんと考えていますよ」
というこちらの普段の姿勢を
見せる場として捉え、ケアマネさんや
患者様への想いを伝える
場にして行くと良いです。
それが結局は、患者様やケアマネさんの為に
なるわけですし、それはイコール僕たちの
為にもなるはずですから。
今回は、報告書について考えてみました。
是非、参考にしていただければ幸いです。