こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。
今の訪問鍼灸マッサージ業界は
距離で稼げる時代では
ありません。
訪問鍼灸マッサージの料金は
「施術費 + 往療費」
で成り立っています。
自院から半径16km圏内であれば
往療費が支給されるルールですが、
以前は、この往療費で
稼ぎまくるという
手法がありました。
例えば、
85歳女性 脳梗塞後遺症
(マッサージ5部位)、往療距離15.9kmの
患者さんの訪問治療を行うとします。
現在の料金体系であれば
「施術費(350円×5部位)+
往療費(2550円)=4300
となります。
往療費(2550円)については、
4km~16kmは同一料金になります。
4kmの患者さんを
施術しても往療費は2550円、
16kmの患者さんを
施術しても往療費は2550円、
ですので、
遠方の患者さんの施術をするのは
商売的には不利になります。
しかし、以前は違いました。
遠方の患者さんを
施術すればするほど
商売的に有利に働くような
時代がありました。
例えば、僕が
訪問鍼灸マッサージ業界に
参入したのが2005年でした。
右も左も分からない状態でしたので、
色々なセミナーや講習会に参加して
先輩施術者の話を
聞く機会が多かったです。
その中で、
「ちょっと前までは、
往療費で7400円位
稼げたんだけどな~」
という話題で
盛り上がっていました。
施術費はそこまで高くないが、
往療費で7400円も貰えるので、
遠方の患者さん大歓迎!
という感じで
運営していたと言っていました。
その後、往療費については、
料金の改定(減額)が行われて、
2km迄は〇円、
そして2kmごとに〇円加算、なお、
6kmを超える場合は
一律〇円の加算という
ルールに変更になりました。
この時代の主流の稼ぎ方は、
「直線距離6kmの患者さんを
メインのターゲットとせよ!」
というものでした。
どーゆ―ことかと言うと、
6kmの患者さんを
施術したら往療費は4260円、
16kmの患者さんを
施術しても往療費は4260円、
となりますので、
直線距離6km付近の患者さんの
訪問治療が最も
効率的に稼げたという事です。
この時代は、
僕も全国各地に出向いて
セミナーなどを行っており、
田舎と呼ばれる地域で
活動されている
訪問鍼灸マッサージ師さんと
よく話していました。
懇親会の席などでは、
「田舎のこの地域では
直線距離6kmって
お隣さんに行く感覚です
「高速道路(無料)を使えば
6kmの移動なんて
10分もかからな
「6kmのタクシー料金って
2000円位でしょ?
その2倍以上の
貰えて恐縮です^^」
なんていう話題で
盛り上がっていました。
この時代は、田舎で開業している
訪問鍼灸マッサージ師さんの中に
ひとりで月商150万円以上稼ぐ方も
チラホラいらっしゃいました
しかし、時代は流れて政府は
近距離の患者さんを
しっかり施術せよ!
という方針を打ち出しました。
(”地域包括ケアシステムの確立”)
この方針の転換により、
田舎で月商150万円以上稼いで
大活躍した施術者は姿を消し、
訪問鍼灸マッサージ業界は、
以前の田舎有利から
都会有利に変わって行きました。
これは、田舎で
開業している先生にとっては、
大きな変革期となり
今まで距離で
稼いできた先生の中には、
廃業に追い込まれた方もいた。
という事実が御座います。
忘れてはならない事例として、
また今後保険改正があった時は
距離の問題も含めて
チェックを行いたいものですね。