昭和生まれの職人思考のままでは…

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

50代の施術者さんで、
4月から採用を
考えているという
ご相談を頂きました。

訪問マッサージ・訪問鍼灸で
1人で100万位の収入を
得られるようになって、
もっと会社(治療院)を
大きくしたいと思った場合は
人を雇う必要があります。

昭和生まれの施術者さんなら
ご存じだと思いますが、
治療院の業界では古くから
徒弟制度というルールがありました。

師匠である
院長から施術や技術を
教えてもらう変わりに、
従業員として勤務するスタッフは
安い時給で奉公する
という暗黙のルールです。

一昔前であれば、
師匠の近くでじっくりと修行して、
ある程度経験を積んで、
一人前になったら
独立開業することが出来たので、
教える側の院長も
教わる側のスタッフも
お互いにギブ&テイクの関係が
出来る制度でした。

なので、

・早朝早く来て院内掃除を
 するのは当たり前

・休憩時間も関係なく現場で
 施術するのが当たり前

・営業終了後も終電まで施術の
 練習をするのが当たり前

という院内の風土でも
大きな問題にはならなかったでしょう。

しかし、これは他の業界の
一般企業から見たら異常な状況です。

おそらく、大卒で一般企業に
勤務したことがある治療家であれば、

「この給与明細は正確な
 勤務時間が
 反映されていないじゃないか!

「なぜ、早朝7時に出社して、
 23時に帰宅しているのに
 毎日、9時出社、18時退社に
 なっているんだ!」

「日曜日も地域の
 ボランティアに参加したのに、
 休日出勤手当が
 反映されてないのはおかしい!」

という正論を言ってくるでしょう。

一昔前なら、
「文句があるなら辞めてね!
 明日から来なくていいから!」
といって片付いたかもしれませんが、
今の時代に、そんなことを言ったら
不当解雇ということで
大変な事態になります。

職人の世界で完全な
”師匠と弟子”の関係が
出来ているのであれば
徒弟制度でもいいかもしれません。

しかし、訪問マッサージ・訪問鍼灸で
組織展開していき会社経営を
目指すのなら
昭和生まれ職人体質のまま
経営すると確実にしくじります。

ビジネスにおいては
当たり前のことですが、
徒弟制度の中を生きて来た
鍼灸マッサージ師にとっては
この風土から
脱さない限り明日は無いです。