患者引き継ぎ開業落とし穴

こんにちは、
日本訪問マッサージ協会の藤井です。

訪問鍼灸マッサージの業界では、
以前勤めていた治療院の
患者さんを
そのまま引き継いで独立する。
こういったケースが実際によくあります。

もちろん、会社との契約書では
「患者引き連れ禁止」のような
条項がある場合も多いのですが、
現実には、
患者さんは“会社”ではなく
“施術者本人”に
信頼を寄せていることがほとんどです。

例えば、勤務時代に
30人の患者さんを担当していたとして、
そのうちの10人から
「あなたが独立しても、お願いしたい」
と言われたら?

最初から月30万円ほどの
売上見込みが立ちますし、
その患者さんのケアマネジャーとも
継続して繋がれるため、
そこから新規紹介が
芋づる式に発生することも多い。

結果として、
開業初期から売上50万、80万と
伸ばせる可能性が出てくるわけです。

しかし、このやり方には、
ある落とし穴があります。

それが、、、
「崖っぷち感を味わえない」こと。

「そんなの、味わいたくないよ!」
という声も聞こえてきそうですが(笑)、

本当に事業を
伸ばしてきた人たちの多くは、
“背水の陣”から這い上がる
プロセスを経験しています。

・貯金が底をついた
・深夜の警備の
 バイトをしながら開業準備
・来月の売上がなければ
 子どものオムツが買えない…

そんな“ギリギリの現場”で
必死にもがいて、
ゼロからイチを生み出してきた
体験があるんです。

人間は基本、怠惰な生き物です。

「本気出すぞ!」と思っても、
危機感がなければ100%の力は出ません。

スムーズに患者さんを引き連いで、
ある程度の売上が
立った状態でのスタートだと、
“本気のギア”を入れる
機会を逃してしまうんですね。

本田宗一郎さんは、
こんな名言を残しています。

↓↓↓

「人間に必要なのは困ることだ。
 絶体絶命に追い込まれた時に
 出る力が本当の力です。」

伸びる時には、必ず抵抗がある。
その“抵抗”を乗り越えた先にこそ、
想像を超える成果と
成長が待っているのかもしれません。

患者さんを引き継いでの
独立が悪いわけではありません。
むしろ、
非常に賢く安定感のあるやり方です。

でも、
「崖っぷちに立たされた時に
 自分はどう動けるか!?」
この感覚を
一度でも持っているかどうかで、
経営者としての
“耐久力”や“伸び代”は変わってきます。

どちらの選択肢をとるかは自由です。

ですが、
“抵抗”こそが成長の種になります。
そのことを、ぜひ忘れないでいてください。